【ネタバレ解説】金田一少年の事件簿|ファイル2 異人館村殺人事件

漫画

金田一少年の事件簿の事件の一つ「ファイル2 異人館村殺人事件」のネタバレ解説記事です。

 

以降はネタバレを含みますのでご留意ください。

ネタバレ解説

被害者の人数:8人

怪人名   :七人目のミイラ

ストーリー :★★★★

犯行トリック:★★★★★

動機の同情度:★★★

管理人満足度:★★★★

金田一と美雪の友人である時田若葉が教員の小田切とラブホテルから出てくるところを何者かにスクープされる。

若葉は学校から退学処分を一時言い渡されるが金田一が機転を利かせることで何とか退学は免れる。

しかし若葉は数日後親元に引き戻されることになる。

故郷で地元の高校に通いながら子供の頃から決められていた許嫁と結婚することになったのだ。

更に数日後故郷に帰った若葉から結婚式の招待状が金田一と美雪に届いた。

そこに小田切も加わり3人で若葉の故郷である青森県の「六角村」に向かうことになる。

その六角村には古くからの秘密があり、その秘密が原因で恐ろしい事件に発展するのであった。

 

登場人物

本事件の登場人物です。

・金田一 一(17歳)

高校2年生。
名探偵金田一耕助の孫で普段は落第すれすれだが実はIQ180の天才。

友人である若葉の結婚式に参加するために若葉の故郷である青森県の「六角村」を訪れる。

 

・七瀬 美雪(17歳)

高校2年生
金田一の幼馴染で優等生。
事件に遭遇した時は金田一の助手としてサポートする。

友人である若葉の結婚式に参加するために若葉の故郷である青森県の「六角村」を訪れる。

 

・六星 竜一(小田切 進)

事件の犯人

27年前に六角村で起きた惨殺事件の唯一の生き残りである六星詩織の一人息子。

母である詩織からは自分達をこんな目に合わせて六角村の館の主人たちに復讐することだけを目標に生きるように言われておりあらゆる殺人術を仕込まれた。

大きくなった竜一は計画を実行するためにまずは不動高校に赴任予定であった小田切進を殺害する。

そして小田切になりすますことで不動高校に潜入する。

その目的は六角村の時田家の一人娘若葉に近づくためであった。

竜一は復讐をするために六角村のことを徹底的に調べ上げた結果、六角村で行われている大麻の栽培や各館に安置されているミイラのこと、そして結婚式の前夜に花嫁が一人で一晩教会にこもることを知る。

竜一は結婚式を舞台にした殺人計画を思いついたのだ。

竜一は計画通りに次々と殺人を行っていく。

金田一に全ての謎が解かれた後でも鍛えられた格闘術でその場を切り抜ける姿は金田一史上最強の犯人と言われている。

また殺害人数も自身の母詩織を合わせると総勢8人にも上る。
※詩織自身は竜一の殺人術を仕上げるためにあえて自分を殺させた。

なお詩織からは館の主人の一人である風祭だけは殺すなといわれておりその言いつけをちゃんと守っている。

風祭だけを見逃した理由は風祭が詩織のことを27年前の事件から救ってくれた恩人かつ恋人であったこと、また竜一の実の父親が風祭だったからである。

 

また若葉は六角村に潜入するために恋人関係になっただけであったが、若葉の死体にだけちゃんと墓を作ってあげたり、若葉を殺害した後涙する描写があったりと若葉への愛情だけは本物であったことが伺える。

最後は金田一に謎を解かれて追い詰められながらも美雪を人質にとり抵抗するが、実の父親である風祭に狩猟用の銃で撃たれて死亡する。

 

 

・時田 若葉

兜 霧子殺しの実行犯

事件の第3の被害者

小田切になりすました竜一と恋愛関係に発展しラブホテルから出てくるところをスクープされる。
※写真は竜一が若葉を六角村に帰すために仕組んだもの。

スキャンダルにより六角村に引き戻されて許嫁である連城と結婚することになったが、竜一をまだ好きであった若葉は竜一の殺人計画に手を貸して兜霧子を殺害する。

しかしその後は竜一に裏切られて絞殺される。

ただ若葉自身は自分の死を予感するような発言を金田一と美雪に告げており、最初から竜一に殺されるのをわかっていた節がある。

その証拠として若葉の検死の結果、まるで抵抗した後がないことが明らかになっている。

竜一自身も目的のためとはいえ若葉を殺害する際に涙しており二人は本当に両想いであったことがわかる。

 

・五塔 蘭

事件の第6の被害者

六角村の塔の館の主人。

肩から左腕がないミイラを館に安置している。

若い乙女の生き血を体にそそぐことで美しさを保てると考えているぶっとんだキャラで美雪をその標的にしていた。

しかしその前に竜一に館のミイラと同じように肩から左腕を切り取られて殺害される。

 

・草薙 三子

事件の第4の被害者

六角村のツタの館の主人。

左脚がないミイラを館に安置している。

竜一にミイラと同じように左脚を切り取られて殺害される。

 

・兜 礼二

事件の第7の被害者

六角村の鎧の館の主人。

下腹部がないミイラを館に安置している。

金田一に全ての謎を解かれた後に竜一に射殺される。

金田一に全ての謎を解かれた後になお殺害された珍しい被害者。

 

・兜 霧子

事件の第2の被害者

鎧の館の主人である兜礼二の娘。

竜一に命じられた時田若葉に首を切り取られて殺害される。

遺体は右肩から左腕が切り取られている。

竜一は館のミイラと同じ部分を切り取る見立て殺人を行っていたがこれは霧子が住む鎧の館のミイラとは異なる(鎧の館のミイラは下腹部がない)。

その理由はトリックの性質上(後述)、霧子を殺害は狭い天窓越しに行われており首しか切断することが出来なかったためである。

 

 

・一色 寅男

事件の第5の被害者

六角村のステンドグラスの館の主人。

右脚がないミイラを館に安置している。

竜一に館のミイラと同じく右脚を切り取られて殺害される。

 

・風祭 純也

事件の犯人である六星竜一の実の父親。

後述する27年前の事件の際に恋人の詩織を館の主人たちの手から何とか助け出すことに成功する。

その後詩織とは離れ離れになってしまう。
※詩織は竜一が復讐計画を成し遂げることだけを目標に生活をしていた。

なお詩織は竜一には風祭だけは殺すなと伝えており二人の間には確かな愛情があったことが伺える。

最後は暴走して罪を重ねる竜一を銃殺したあと、自らも大麻を燃やしたのちに銃で自殺した。

 

・時田 十三

時計の館の主人。

村で栽培している大麻の存在を外部の人間に知られることを非常に恐れている。

六角村で起こっている事件は27年前に殺害した牧師夫婦の悪霊の仕業だと思っておりずっとおびえていた。

最後は心臓発作で亡くなる。

 

・連城 久彦

事件の第8の被害者

時田若葉のフィアンセであり県でも有数の資産家の息子。

生まれつき体が弱い連城はずっと家に引きこもりっきりで、いつからか写真でしか知らない若葉のことを愛するようになっていった。

六星竜一が教会の十字架に仕掛けを作っているところを偶然見かけた連城は早くから竜一が犯人だとにらんでマークしていた。

最後美雪を人質に取った竜一をナイフで刺して致命傷を負わせるもすぐに銃で反撃されて死亡してしまう。

 

・俵田刑事

青森県警の刑事。

当初は金田一のことを軽視していたが剣持警部からの電話で金田一の言うことを聞くように言われて協力するようになる。

当初は渋々協力していたが最後は俵田刑事自身も金田一のすごさを認めており、「ちっとばかり生意気だがたしかにすげえ奴だぜ!!」と賛辞を送っている。

 

・小田切 進

事件の第1の被害者

金田一、美雪、若葉たちのいる不動高校に赴任してくるはずだった教師。

しかし竜一が若葉に近づき成りすます目的で殺害された。

 

・六星 詩織

27年前の事件の被害者。

六角村の教会に住む牧師夫婦に孤児として引き取られて育てられていた(詩織を含めて教会には7人の孤児の少女がいた)。

しかし村で行われている大麻の栽培をやめようという牧師夫婦に反感を抱いた館の主人たちは牧師夫婦を殺害してしまう。

そして残された詩織たち7人の少女も協会に閉じ込められて火をつけられる。

そこで当時詩織と交際していた風祭が助けにきて詩織だけは一命をとりとめるも他の6人の少女は死亡してしまう。
※風祭が来たときは詩織以外は死亡していた。

死体が6人分しかなければ詩織が逃げたことを館の主人たちに気が付かれると考えた風祭は6人の少女の死体を切断して7人分の死体に見せかけた。

その後詩織は竜一を生み、館の主人たちに復讐することだけを生きがいにして竜一に殺人術などを仕込んだ。
※なぜ普通の少女であった詩織が殺人術を仕込めたのかは不明。

恋人であった風祭に対する愛情は残っていたようで竜一にも風祭だけは殺すなと言っていた。

最後は竜一に殺人術の仕上げとして自らを殺させた。

事件の内容

一連の事件の犯人は六星竜一。

 

犯行動機は下記。

全ての発端は六角村で行われている大麻の栽培にある。

六角村では100年もの間、大麻による栽培で6つの館の主人と教会に住む牧師一家は多額の利益を得ていた。

ところが今から27年前のある時、教会に住む牧師が突然大麻の栽培はやめようと言い出した。

教会では牧師夫婦が女ばかりの7人の孤児を引き取って育てており、その子たちが成長して罪の意識を持ち始めたのでその子たちのためにもやめたいと主張したのだ。

牧師と6つの館の主人たちは何度も話あったが交渉は決裂し、牧師はとうとう警察に通報するとまで言い出したのである。

そして27年前のある日、6つの館の主人は牧師夫婦を射殺してしまう。

更に残された7人の娘たちを生きたまま協会に閉じ込めて火を放ったのである。

石と煉瓦で作られた教会の中で蒸し焼きとなった娘たちはミイラと化してしまう。

しかし出来てた7体のミイラはすべて体のどこかのパーツが欠けていた。

6つの館の主人たちは誰も裏切らず罪を共有するためにこの7体のミイラの内、6体をそれぞれの館に安置し、残りの1体を教会に安置することにしたのである。

だが実はこの7体のミイラは6人の死体から構成されていた。

一人は生きていたのである。

当時教会に住んでいた詩織の恋人であった風祭が火を放たれた教会に助けにいき、何とか詩織だけは助け出していたのだ。

しかし6体しか死体がなければ他の館の主人に怪しまれると考えた風祭は6つの死体を7つに分解することで館の主人たちの目を欺いたのだ。

無事に生き延びた詩織は風祭とは離れ離れになるものの風祭の子供を身ごもっており、竜一を生む。

詩織は竜一に復讐をさせるために様々な殺人術を仕込む。

そしてその仕上げとして自らを竜一に殺させたのである。

 

成長した竜一は館の主人たちに復讐することだけを糧に生きていく。

そして六角村のことを徹底的に調べつくし、それぞれの館にあるミイラのことや婚礼前夜に花嫁が教会に閉じ込めるしきたりのことなども突き止め、更には時田家の一人娘である若葉が都内の高校に通っており、卒業と同時に結婚することが決められていることも突き止めた。

そして若葉の結婚式を舞台にした殺人計画を立てたのである。

メイントリック

本作のメイントリックは作中でも明記されている通り島田荘司氏の代表作「占星術殺人事件」のトリックを使用しています。

メイントリックの内容は6つの死体を分解することで、それぞれ一部が欠けた7つの死体を作り出すというものです。

今回の事件ではこのトリックを使って六星詩織が館の主人たちの目を逃れて逃げることに成功ししました。

【小説】占星術殺人事件|徹底ネタバレ解説

 

次に六角村で起きた事件を見ていきます。

時田若葉 殺人事件|教会の密室トリック

時田若葉が密室の教会で殺害された事件を解説します。

まずこの事件は時田若葉と六星竜一が共犯関係にあることからスタートします。

連城と望まない結婚をすることになった若葉は村のしきたりで一晩締め切った教会で過ごすことになります。

またその際には一人付き人がつくことになっておりその役目を兜霧子が担っていました。

若葉はまず最後に会いたい人がいると言って、霧子に花嫁役を変わってもらい自身は教会の天窓に移動します。

教会にあるベッドの上で霧子が目を閉じたのを見た若葉はクロロホルムをしみこませたハンカチを霧子の上に落とし意識を奪います。

そして竜一が運転してきた車のウインチを使って天窓ギリギリまでベッドごと霧子を引きげます。

そして首を絞めて殺害し首だけを切断して天窓から出して持ちさり、ベッドはまた戻しておきます。

こうして密室の教会で首なし死体が完成したのでした。
※金田一が最初に見た首なし死体は若葉ではなく霧子のもの。

霧子を殺害した若葉はその後すぐに竜一に殺害されます。
※この際に若葉は一切抵抗をしていない。

そして霧子と同じように若葉の首を切断した竜一は、教会にある霧子の死体と入れ替えます。

翌日警察が検死したときには霧子から若葉の死体に入れ替わっていたため警察も教会の首なし死体は若葉と結論づけることになり、金田一たちも当初見た死体も若葉のものであったと錯覚させられた。

なお霧子の死体は六星により鎧の館の鎧の中に隠されていた。

管理人コメント

文庫本の最初のページにも明記されているように死体をバラバラにして死んだ人間を一人多く見せかけるというのは島田荘司氏による「占星術殺人事件」のトリックと全く同じものです。

パクっていることは間違いないのですがこのトリックを初見で見るとその意外性に驚くことは間違いないと思うので★5つにしています。

またストーリーとしても竜一を単なる殺人ロボではなく若葉に対する愛情だけは本物だと描いており、竜一の境遇がこんなに特殊なものでなければもっと普通の人生を歩めたのではないかと考えさせられます。

竜一自身も親から復讐だけを考えるようにと育てられてその呪縛から逃れられないまま生涯を終えているのである意味かわいそうな存在でした。

また管理人が知る限り最多の犠牲者を出した犯人が竜一であり、自身の母詩織と、成り代わった小田切進を合わせると総勢8人を殺害しています。

更にすべての謎を金田一に解かれた後もなお犯行を重ねており(兜を射殺)あらゆる意味で他の犯人たちとは一線を画す存在でした。

管理人としてはかなり好きな事件簿です。

 

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