【西村京太郎】七人の証人|詳細ネタバレ

小説

西村京太郎さんの名作「七人の証人」のネタバレ感想記事です。

十津川警部は帰宅途中を襲われ、不覚にも誘拐された。彼が気付いたときには、彼は奇怪な無人島にいた。しかもそこには、ある町の一部分がそっくり再現されていたのだ。次々建物から現れる人間は、皆或る事件の目撃者、そしてやがて展開される狂気のシーン。会心サスペンス長編。(講談社文庫)

設定からして抜群に面白いです。

十津川警部が誘拐されるのですが、誘拐されて連れてこられた場所は1年前の殺人事件の現場をそのまま再現した孤島。

そこに1年前の事件の7人の証人とともに閉じ込められます。

閉じ込めたのは1年前の事件の犯人とされた男の父親。

犯人とされた男は獄中で無罪を主張し続けましたがその主張が認められることはなく獄中で病死してしまいます。

男の父親は息子の無罪を信じてもう一度裁判をやり直そうと思い、私財を全て投げうって離島に1年前の事件現場を丸々再現し、証人を誘拐します。

十津川警部は事件の証人ではないものの第三者として事件を公平に見る立場として誘拐されたのでした。

証人の証言を改めて検証していくうちに覆される証言と判明する新たな事実。

そしてそんな中で離島で起こる新たな殺人事件。

果たして1年前の事件に真犯人はいるのか?

そして離島で犯行を行っているのは誰なのか?

詳細ネタバレ

登場人物と事件の内容を全てネタバレしていきます。

まずは登場人物です。

登場人物

・佐伯信夫(21歳)

1年前の殺人事件で七人の証人の証言により犯人とされた男。
獄中で無罪を訴え続けたが聞き入れてもらえず病死した。

 

・木下誠一郎(37歳)

1年前の殺人事件の被害者。
大手商社の営業課長でエリートであった。

 

・佐伯勇造(64歳)

佐伯信夫の父親。
妻と離婚しブラジルに移住し経済的な成功を収めていた。
18年ぶりに日本に帰ると息子の信夫が殺人犯として逮捕されていることを知った。
息子が無罪を訴え続けて獄中で病死したことを知った勇造は、息子を有罪にした7人の証人を事故現場を再現した離島に集めて裁判をやり直そうとする。
なお離島を買い取り事故現場を再現するために多額のお金がかかっており、ブラジルで成功した私財を全て投げうった。

 

・三根ふみ子(36歳)

1年前の事件の共犯者
バーの「ロマンス」のマダム。

7人の証人の一人。

<当初の証言内容>
佐伯信夫と木下誠一郎が店内で口論をし、佐伯信夫がナイフを取り出したため争いを止めた。
木下誠一郎がお店を出た後すぐに、佐伯信夫がナイフを手に持って店を出たと証言した。

<事実>
木下誠一郎と口論をしていたのは7人の証人の一人の小林啓作であった。
小林啓作はもともと知り合いであった木下誠一郎に再就職先のあっせんを頼んでいたが無下に断られたためかっとなって、佐伯信夫がカウンターの上に置いていたナイフを掴んで店を出て追いかけた。
ふみ子は啓作から資金援助を受けていたため嘘の証言をしていた。

 

・小林啓作(60歳)

1年前の事件の犯人
離島での殺害事件の犯人

7人の証人の一人。

<当初の証言内容>
佐伯信夫と木下誠一郎が店内で口論をし、佐伯信夫がナイフを取り出したためバーのマダムのふみ子が争いを止めた。
木下誠一郎がお店を出た後すぐに、佐伯信夫がナイフを手に持って店を出たと証言した。

<事実>
木下誠一郎と口論をしていたのは小林啓作であった。
小林啓作はもともと知り合いであった木下誠一郎に再就職先のあっせんを頼んでいたが無下に断られたためかっとなって、佐伯信夫がカウンターの上に置いていたナイフを掴んで店を出て追いかけた。

 

・千田美知子(27歳)

離島で起きた殺人の第2の被害者

7人の証人の一人。

銀行員。上司の岡村と不倫関係にあった。

<当初の証言内容>

岡村の車の助手席に乗って自宅まで送ってもらう途中でナイフを持った佐伯信夫が急に車の前に飛び出してくるところを見たと証言した。

<事実>

車を止めて岡村といちゃついていた。
キスをしている最中に男が車の前を通り過ぎたのを目撃したが顔は見えていなかった。
美知子は婚約が決まっているため岡村と不倫関係にあることをばらしたくなかったために嘘の証言をした。

 

・岡村精一(35歳)

離島で起きた殺人の第1の被害者

7人の証人の一人。

銀行員。部下の美知子と不倫関係にあった。

<当初の証言内容>

部下の美知子を車の助手席に乗せて自宅まで送っていく途中でナイフを持った佐伯信夫が急に車の前に飛び出してくるところを見たと証言した。

<事実>

車を止めて美知子といちゃついていた。
岡村はキスをしていて車のフロントガラスに背を向けていたため何も見ていなかった。
岡村は銀行での立場を考えて美知子との関係を隠すために嘘の証言をした。

 

・山口博之(19歳)

浪人生。

7人の証人の一人。

<当初の証言内容>

自宅で受験勉強中だったところ、ふと窓から外を見ると佐伯信夫と木下誠一郎が言い争いをしていた。
その後佐伯信夫が木下誠一郎を殴り、木下誠一郎が逃亡したところを背中から刺したと証言した。

<事実>

山口が見た時、既に木下誠一郎は地面に倒れており、佐伯信夫はナイフを手に握って木下誠一郎から財布を盗んでいるところだった。
そして山口を見て佐伯信夫はいきなり逃げ出した。

 

・安藤つね(68歳)

離島で起きた殺人の第3の被害者

安藤果実店を息子夫婦と経営。

7人の証人の一人。

<当初の証言>

木下誠一郎が倒れていた道路の反対側にある安藤果実店。
その店で店じまいの作業をしていたところ急に店に飛び込んで来た佐伯信夫がリンゴ2個と売上代金6,000円を奪い、つねを殴打して逃走したと証言した。

<事実>

実際は佐伯信夫はリンゴ2個をお金を支払って購入しただけであった。
安藤つねは息子夫婦に店の売上を管理されており、自由に使える金が欲しかったため、佐伯信夫に金を奪われたと嘘の証言をし、6000円を着服したのであった。

 

・浜野光彦

写真家。

7人の証人の一人。

<当初の証言>

佐伯信夫が木下誠一郎にナイフを振り下ろす瞬間を目撃し、その瞬間を写真におさめた。

<事実>

実は撮影した写真は佐伯信夫が木下誠一郎からナイフを抜き取ったところであり、刺そうとしているところではなかった。

 

・十津川警部

事件を第三者の目線から捜査する役割として佐伯勇造に拉致をされて離島に連れてこられた。

事件についてのネタバレ

次に事件の内容についてネタバレしていきます。

1年前の木下誠一郎殺害事件

真犯人はバー「ロマンス」の常連客である小林啓作

小林啓作は同郷である木下誠一郎に再就職先のあっせんをお願いしていたが、木下誠一郎は無下なく断りさっさと帰ろうとした。

かっとなった小林啓作はバーのカウンターに置かれていた佐伯信夫のナイフを持ち去り木下誠一郎を追跡。

美知子が見た車の前を横切った男は木下誠一郎を追跡した小林啓作であった。

バーロマンスの向かい側の路地で立小便をしていた木下誠一郎に再度再就職について頼んだがまた断られたためかっとなって背中から刺した。

怖くなった小林啓作は路地を抜けて大回りしてバーロマンスに帰った。

佐伯信夫は小林啓作が木下誠一郎を刺したころに店から出ていき、刺されて助けを求めている木下誠一郎を見つける。

自分のナイフが木下誠一郎の背中に刺さっているのに驚いた佐伯信夫は、前科があったため自分が疑われることを確信して110番はせずナイフを抜き取った(この瞬間を浜野が撮影)。

なおこの際に佐伯信夫は木下誠一郎の死体から財布を抜き取っておりこの瞬間も山口に目撃されている。

つまり佐伯信夫は財布を盗んだものの実際に木下誠一郎を殺害したのは小林啓作であった。

なおバーのマダムであるふみ子は小林啓作から資金援助をしてもらうことを条件に嘘の証言をしたのであった。

離島での殺人事件

犯人は小林啓作。

木下誠一郎の殺害事件の真犯人である小林啓作は事件の真相を暴かれるのを恐れて証人を殺害した。

犯行動機はそれぞれ以下。

岡村精一と千田美知子については、車の前を通り過ぎる男を見たという証言をしたため、何かの拍子に自分の顔を思い出されることを恐れて殺害した。
※実際に小林啓作を見た可能性があるのは美知子のみ。

安藤つねについては完全に偽装工作目的。
偽装工作の目的は証人全員がターゲットのように見せかけて証人全員にうらみを持つ佐伯勇造に罪を着せようとする目的。

 

感想

めちゃくちゃ面白かったです。

1年前の事件現場を離島を使って完全に再現し証人全員を集めるという設定の時点で面白いことが確定なのですが、次々に判明していく新事実にワクワクが止まりませんでした。

未読の方はぜひ読んでみてください。

 

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