前回レビューした「最悪」とは違いポップな感じで楽しく読める作品です。
あらすじ
3人の主人公の目線で物語は進みます。
・横山健司(ヨコケン)
25歳。会社社長。
何でも屋のような会社を経営。
人生の目標は大金をつかんで派手に遊ぶこととそして大物扱いされること。
・三田総一郎(ミタゾウ)
25歳。一流企業三田物産に勤務する社員。
三田という苗字だが三田一族とは全く関係がない。しかしその苗字のおかげで御曹司と勘違いされる。
本人は曖昧に対応するので周囲は御曹司と確信しそれでいい思いをすることもしばしば。
普段はどんくさいが集中した時の能力はすさまじい。
・黒川千恵(クロチェ)
25歳。父の稼いだお金で裕福な暮らしをしているが・・・
感想(ネタバレ注意)
序盤のお話。
ヨコケンが開催した出会い系パーティーにミタゾウが出席する。
ミタゾウの思わせぶりな発言で三田物産の御曹司と勘違いしたヨコケンがヤクザと結託して美人局で金を引き出そうとする。
実際はお荷物社員で三田一族とは全く関係ないミタゾウにそんな資産があるわけもなく美人局は失敗する。
その後ひょんなことからヤクザが賭博で儲けた金を強奪することになったヨコケンとミタゾウ。
ミタゾウが三田物産という超一流起業の社員にも関わらずヤクザの金を奪うという危ない橋をわたる理由はお荷物社員のため居場所がなく近々やめるためとのこと。
しかしヤクザの留守中に賭博が開かれているマンションで金を奪おうとするが毎回邪魔をされてしまう。
その邪魔をしているのがクロチェ。
クロチェが邪魔をするのはその賭博で集まった人たちを相手に父が詐欺まがいのビジネスで10億円を集めている最中でありクロチェはその金を狙っている。その計画の最中に騒ぎを起こされると困るからでした。
クロチェの計画を聞き協力することにしたヨコケンとミタゾウ。
父はクロチェの弟を秘書として使っているためそこから情報を得るのが3人の策でした。
途中色々あるものの3人は10億円の奪取に成功します。
しかし金がなくなり父が姿を消すと弟に被害が及ぶことを考えたクロチェが10億円の内、9億円を返して残りの1億円を3人で分けることにします。
他の二人がよく許したなって感じですが、二人ともクロチェを好きになっていたのでそこは惚れた弱みってやつですかね。
3人で仲良く1億円を均等に分けました。
その後ミタゾウはキリバス共和国に移住し、クロチェはカフェをオープン、ヨコケンは描写はないが新しい事業を展開していると思われる。
読んだ感想としてはすごいはらはらドキドキするというよりも3人の小気味良い掛け合いを楽しむって感じの小説です。
続きが気になって気になってしょうがないってタイプの話ではないけど楽しんで安心して読める小説でした。