ネタバレ感想:ララピポ『奥田英朗』

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今まで読んだことがないタイプの小説。

あらすじに下流文学の白眉とあるけどその通りかも

感想(ネタバレ注意)

奥田さんお得意の複数の主人公が絡みあって話が進んでいきます。

短編ですが第1話に出てきた人物が第2話では主人公として登場したりしますので全部の話がつながっています。

 

第1話

32歳の対人恐怖症のフリーライター杉山博の話。

自分に自信があるが実際は重度の肥満体で女性にもてない。

上の部屋を盗撮したり女性をストーキングしたりとやばい人物。

 

第2話

23歳の風俗専門のスカウトマン栗野健治の話。

ちなみに第1話で杉山に女性との情事を盗聴されていたのがこの栗野。

なぜ部屋に複数の女性をつれこんでいたのかというと自分がスカウトした女性たちを部屋に呼んでいたから。

話が進んいくと謎がとけていきますね。

 

第2話終盤で交通事故にあいますがその後も元気にスカウトを続けている様子が6話でわかります。

 

第3話

43歳の専業主婦佐藤良枝の話。

第2話で栗野にスカウトされたのがこの佐藤良枝。

平凡な毎日に嫌気がさしてスカウトの話に乗った。

家に閉じ込めていた義母の死体を放置してあり、その隠ぺい工作を行いたいがために第4話で登場する青柳に自宅に火をつけるように依頼する。

ちなみに第4話で火事から逃げ遅れたような描写があるがその後も生きているのが6話でわかる。

 

第4話

26歳のNOと言えないカラオケボックス店員青柳光一の話。

第3話の佐藤良枝に放火を依頼されたのが青柳。

NOと言えないがために様々なトラブルに巻き込まれる。

近所の犬がうるさいので脅迫状を出して、更に放火しようとする。

そこを佐藤良枝に見つかり、黙っている代わりに家にも放火しろと言われて放火する。

その後罪の意識を感じて自殺を図ろうとする。

 

なお自殺は失敗して第6話で生きていることがわかる。

 

 

第5話

52歳の官能作家西郷寺敬次郎の話。

第4話でカラオケボックスで援助交際をしていた中年男性が西郷寺。

援助交際をしている現場を警察につかまりそうになるが、トイレにいくふりをして逃げだす。

 

その後第6話で公園でホームレスとしてお酒を飲んでいることがわかる。

 

第6話

28歳のテープリライター玉木小百合の話。

かなりの肥満。

第1話に出てくる杉山を図書館で誘惑したのが玉木。

更に第5話の西郷寺の口述テープを文字にしているのも玉木。

部屋で男性との情事を隠し撮りしたテープをビデオショップに売りつける副業をしている。

また第2話で登場した栗野が再登場し玉木をスカウトしている。

第3話の佐藤と第4話の青柳もニュースで登場している。

 

ちなみに第6話でようやくタイトルのララピポの意味が「a lot of people」(人がたくさん)であることがわかる。

 

好きな人は好きという感じ。

登場人物にまともな人物は一人もいません。また下ネタが多すぎるのが自分には合わなかったかな。

でも第1話で出てきた人物が別の話では主人公だったりすのは面白い。

同じ事柄でも見る人によって感じ方が違うので、このときこの人はこう考えていたのかーとなる1冊。

 

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