7という数字にちなんだ短編小説が7話収録されています。
感想(ネタバレあり)
それぞれの話の内容です。
ラッキーセブン
とある女子高の7人で行われたトランプゲーム。
眉子が悪魔に頼んだことでゲームに負けたら死ぬという本物のデスゲームになってしまう。
<ルール>
・トランプのA~7を7人に1枚づつ配る。
・カードの強さは数値が小さい順(ただし7はAにだけは勝てる)。
・勝負は1対1で行われる。
・ファーストステップとしてお互いが相手のカードを言い当てる。
・この時点でどちらかが当ててどちらかが外したら当てたほうの勝ち。
・どちらも当てる、どちらも外れるの場合はセカンドステップに進む。
・セカンドステップではカードを同時に出しカードが強いほうが勝ちとなる。
・生き残れるのは最後の1人のみ。
心理戦を制し最後に生き残った春は再度悪魔に頼み、自分の残りの寿命の半分と引き換えにデスゲームが始まる前に戻してもらうことに成功する。
しかし唐突に悪魔が出てきたのには驚いた。
小諸ー新鶴343キロの殺意
別荘で殺害された宗教団体「日本トーラの会」の幹部6人。そして連れ去られた教祖とその妻。
犯人は信者の一人である笹原。
笹原は教祖と幹部6人を7福神になぞらえて殺害するつもりだった。
結局は教祖を殺すことに失敗し逆にやられてしまった笹原。
教祖とその妻は現代のアダムとイヴになるべく二人だけの楽園を目指して旅立つ。
強引なこじつけがすごいなと思うお話。
TLP49
生命の危機が迫るとタイムスリップする男の話。
といっても期間は短くてタイムスリップ出来るのは49分後の未来まで。
さらにややこしいことに49分間を7分間ごとに区切った7つの時間帯のどこかにランダムで飛ばされるという設定。
最終的にはハッピーエンドで終わります。
一男去って・・・
7兄弟の話。
母が末っ子に暴力をふるって死なせてしまった。
残された子供たちは母を守るためにある策を考える。
それは末っ子の代わりを六男が務めるというもの。
そして六男役を五男が、五男役を四男が、四男役を三男が、三男役を次男が、次男役を長男がこなしてごまかそうとする。
※長男は中学を卒業して義務教育が完了しているので家に引きこもっていることにする。
しかしまた翌年には母親が今度は六男を死なせてしまう。
またスライドするも最終的には警察に捕まって終わりました。
うーん。なんかページ数も少ないし強引に作られた感がある話でした。
殺人テレパス七対子
7組の双子の意思疎通実験を利用した殺人事件。
映像を使った時間差トリックによる殺人でした。
トリックも普通だしそこまで盛り上がりもなく終わりました。
木曜の女
曜日ごとに別の女のところに通う男の話。
実は別の女ではなく妻が倦怠期を解消するためにそれぞれの曜日ごとに性格の違う女を演じていたという話。
7つの全く異なるキャラを使い分ける妻がすごい。
これやってもらいたい男性は多いのではないでしょうか。
ユニーク・ゲーム
これ一番面白かったです。
反政府ゲリラの捕虜になってしまった7人の軍人。
反政府ゲリラの将軍からゲームに勝利した者は解放するが負けた者は殺すと言われる。
軍人たちの運命を決めるゲームの名は「ユニーク・ゲーム」
<ルール>
・7人を4人チームと3人チームに分ける。
※チーム内での相談はできるが、チーム間の交流は出来ない。
・0から7の8つの数を一人ずつ選ぶ。
・ファーストステップとして選んだ数が誰とも重複しなければその人は「セーフ」で助かる。
※誰とも重複しないユニークな人が助かるので「ユニーク・ゲーム」
④ファーストステップで誰かと数が重複した人でもその選んだ数が「セーフ」の人数と一致していれば助かる。そうでなければ殺される。
<作中での結果>
それぞれが下記の数を選択する予定でした。
・4人チーム
ウィリアムス少尉 :2
スマイル曹長 :2
ダグラス軍曹 :2
バローズ一等兵 :2
・3人チーム
ジョン・ケリー中尉 :5
エドガー少尉 :4
マッケンロー兵長 :2
5人が「2」で重複していますが、ジョンとエドガーが誰とも重複せず二人がセーフになるので「2」を選んだ5人も助かり、全員が生き延びることが出来る作戦でした。
作戦上は見事成功していたのですが、最後の最後でバローズがチーム内で数が重複するのは自殺行為だと考えて自分のラッキーナンバーの「5」を選択してしまいます。
これにより「2」を選択した4人は死亡。さらにバローズとジョンが「5」で重複のため死亡。
結果として生き残ったのは「4」を選択したエドガー少尉だけとなりました。
エドガー少尉は実は王族の人間で全員が一番助けたかった人物なので最低限の目標は果たせたのですが、バローズの勝手な行動により本来全員が助かるはずだったのに6人が死亡という結果になってしまいました。
バローズの挙動不審な言動から直前で数値を変えてくるのはなんとなく予想できましたが、折角完璧な作戦を立てたのに残りのメンバーが浮かばれませんね。
結末はともかく数を選択する際にエドガーとウィリアムスがそれぞれ全員が生き延びる方法を相手チームの思考を考えた上で、考えていくのは面白かったです。