奥田英朗の小説「噂の女」 モヤモヤ感とネタバレ感想

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

奥田英朗さんの小説「噂の女」を読んだのでネタバレを交えて感想を綴ります。

 

 

 

あらすじ
「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい―。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!
 

ネタバレ感想

「糸井美幸」という一人の女が男好きする容姿と度胸を武器に田舎の街でのし上がっていく様子が第三者視点で描かれています。
 
10個の短編にはそれぞれ違う主人公が登場して糸井美幸について語られていく形です。まさしく噂をされる女ですね。
 
糸井美幸自身の視点で書かれたシーンは一つもないため彼女が何を思い行動を起こしているのかは読者からは推測をするしかないのが本作を面白くさせているのでしょう。
 
のし上がっていくために犯罪も犯していると噂されている糸井美幸ですが、起こした(と思われる)主な事件は下記の3つです。
 
①中古車販売店のオーナー殺害
愛人である中古車販売店のオーナーを殺害して財産を得る。
 
 
②金村土建屋の社長の殺害
雀荘勤務時に知り合った土建屋の社長と愛人関係になる。その後資金を援助して貰ってから温泉で溺死させて殺害(睡眠薬を飲ませたものと思われる)。
 
 
③長谷川不動産の社長の殺害
60歳を超える不動産会社の社長と年の差婚をする。子供を作り(恐らく長谷川社長の子ではなく、長谷川社長の娘婿の大輔との間の子と思われる)長谷川を殺害することで財産を相続させる。
 
殺害方法は金村土建の社長と同じように睡眠薬を飲まされて風呂場で溺死させられたと思われる。
 
なお犯行に使用したと推測される睡眠薬は、糸井美幸が知り合いに不眠症を訴えさせて服用された睡眠薬を使用したと考えられている。
 

ラストのモヤモヤ感

恐らく3人を殺害していると思われる美幸ですが、最後は捜査の手が伸びてきてところで行方をくらませています。

ネット上の感想を拝見すると美幸を応援したくなるという意見も結構あったのですが、管理人的には捕まってすっきりしたラストが良かったなーと思います。

奥田さんの人気作「ナオミとカナコ」でも登場人物が犯罪を犯して逃亡をするのですがあちらは素直に応援出来ます。

恐らくその違いは「ナオミとカナコ」では登場人物がDVの被害に耐えかねて、思い詰めて犯した犯行であったのに対して、糸井美幸の場合は単に財産を得るために積極的に騙しまくっているところが共感できなかったのかなと思います。

 

まとめ

最後にモヤモヤ感はあるものの最後まで飽きることなく面白く読めることは間違いないです。

美人ではないけど男好きする顔ってどんな顔なんでしょうね(笑)。

未読の方はぜひ読んでみて下さいね。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加