沈黙の町で「奥田英雄」 事件の内容をネタバレ解説

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ページをめくる手が止まらなかった作品です。

田舎の男子中学生が校内で転落死した事件を被害者の親、教師、警察、検察、生徒等の様々な視点から描いています。

 

あらすじ
北関東のある町で、中学二年生の名倉祐一が転落死した。事故か、自殺か、それとも…?やがて祐一が同級生からいじめを受けていたことが明らかになり、家族、学校、警察を巻き込んださざ波が町を包む…。地方都市の精神風土に迫る衝撃の問題作。

 

ネタバレ解説

ちょっといじめの加害者とされている母親達があまりにも無神経すぎるなという気がします。
※まぁ実際いじめられる方にもかなりの理由があったわけですが。。

わが子可愛さに子供たちの無実を主張する親たちはある意味リアルなのだと思います。

 

 

さて読んでいてポイントして気になった部分を3点ピックアップしてみます。

 

 

名倉祐一の転落死は結局事故だったのか

名倉は藤田から屋根から木に飛び移ったらラケットを返すという約束をさせられたために、屋根から木に飛び移り、挙句失敗して転落死したと考えられます。

現場には藤田しかいなかったので実は藤田が嘘をついていて、名倉は飛び移るのを失敗したのではなく、藤田が一度屋根から降りた後にまた屋根に登って名倉を突き落とした可能性も0ではないのですが、元来臆病な性格の藤田がそこまですることはないでしょう。

よって結論は自殺でも殺害でもなく事故だったということになります。
※ある意味藤田に強制的に飛び移らせられたので間接的な殺人という見方も出来ます。

 

名倉祐一の背中のつねられた痣について

名倉祐一の背中に残された多数のつねられた痣の犯人は以下です。

・市川、坂井、藤田、金子の4人

・テニス部の1年生グループ

・名倉に暴力を振るわれた愛子とその仲間の女子生徒達

警察と検察の捜査で市川、坂井、藤田、金子の4人とテニス部の1年生グループがつねったことは特定されていましたが、女性生徒達がつねったことについては彼女らが口をつぐんていたため捜査では最後まで明らかになりませんでした。

 

なぜ名倉祐一はいじめられていたのか

色々な理由があると思いますが空気が読めなさ過ぎたのでしょう。いじめられているのを助けてくれた市川や坂井も名倉の傲慢な態度に辟易していましたし。

先生に生徒だけの内緒の行事をチクる、自分より弱い女子や1年生には暴力を振るうなど、名倉自身も単純ないじめの被害者とは言えず彼自身にも多分にいじめられる理由があったと見られます。

読み始めは名倉祐一が純粋な被害者のように読めますが、読み進めていく内に中学生でこんな生徒がいたらいじめられるだろうなという行動をしていることが明らかになりました。

 

まとめ

文庫にして571ページと分量があるのですがスラスラ読めました。あっと驚く結末があるわけではありませんが、奥田さんはとにかく一人一人の内面を描くのがうまいです。

中学生の転落死という事件を様々な人の視点から描くことでここまで盛り上げれるのかと感心してしまいました。

題材自体は重い話で考えさせられる部分もありますが面白いことは間違いないです。

未読の方はぜひ読んでみて下さいね。

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