向田理髪店「奥田英朗」が描く田舎のリアルな生活

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今回読了したのは奥田さんの向田理髪店です。北海道のさびれた田舎での生活をリアルに描いているのですが、案外町で暮らす人たちは元気でほのぼのと生きています。

 

 

あらすじ
北海道。寂れてしまった炭鉱町。通りにひと気はないけれど、中ではみんな、侃々諤々。心配性の理髪店主人が暮らす北の町は、案外にぎやか。身に沁みて、心がほぐれる物語。
 

感想

どの話も北海道の苫沢町にある向田理髪店の主人「向田康彦」を中心に話が進んでいき、6つの短編は全て繋がっています。

 

向田理髪店

寂れた町に息子の和昌が帰ってきた。大学を出て務めていた会社を辞めて向田理髪店を継ぐというのだ。

親としては嬉しい気持ちが半分とこんな将来性のない町で理髪店をやるなんて息子の将来が心配だという気持ちも半分。

しかし息子の和昌は康彦の心配をよそにアルバイトをしたり青年団で活動したりと意欲的なのであった。

 

祭りのあと

幼馴染の武司君の父親が倒れた。事件が全く起きない苫沢町は大騒ぎだ。

武司君は責任を感じて東京と北海道を往復するような生活をしている。康彦たちも出来る限りの協力をして助けるのであった。

 

中国からの花嫁

農家の大輔君のところに中国人が嫁いできた。苫沢町の住民はいままでにないことなので大慌て。

村人全員で中国人の奥さんの歓迎会をやろうとするが最近住人と距離を取っていた大輔君はあまり乗り気でない。

最終的にはみんなの前で奥さんのお披露目会をやりめでたしめでたしとなるのであった。

 

小さなスナック

苫沢町に早苗ちゃんが帰ってきた。新しくスナックをオープンさせたのだ。美人になってきた早苗ちゃんに苫沢町の住人はみんな心を奪われてしまう。

そしてついには早苗ちゃんをめぐる争いにまで発展してしまう。

みんな一時的な恋だとわかっていても気持ちが盛り上がるのを止められないのだ。

 

赤い雪

苫沢町が映画のロケ地に選ばれた。大物女優が来たり、撮影スタッフが大勢来たりと苫沢町の住人は大喜び。

しかし完成した肝心の映画は殺人事件ものR15指定。住人の一部は苫沢町のイメージが悪くなると反対する。

ところがその映画「赤い雪」は住人の予想に反してグランプリを受賞した。

 

逃亡者

苫沢町出身の若者秀平君が振込詐欺事件の主犯格として指名手配された。

今まで経験したことがない大事件に苫沢町の住人は慌てふためく。

秀平君は警察に逮捕されずに苫沢町に帰ってきていた。向田理髪店の息子和昌らの助力を経てこっそり母親に会いこのような事態になったことを謝罪する。

謝罪の後は自ら警察に出頭するのであった。

 

まとめ

1話1話の盛り上がりは特段なくミステリー要素もないので淡々と話は進んでいきます。

でも不思議と先が気になってしまうのです。

田舎のデメリットはみんながみんな顔見知りなのでうわさがすぐに広がってしまうこと。反対にいいところはみんなが家族のように助け合っていきているところ。

田舎に住んでいる方のリアルな悩みがわかる1冊でした。

 

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