阪急電車で有名な有川浩さんの作品。
読み終わった後に温かい気持ちになれる小説です。
クリスマスに倒産が決まった子供服メーカーの社員・大和俊介。同僚で元恋人の柊子に秘かな思いを残していた。そんな二人を頼ってきたのは、会社に併設された学童に通う小学生の航平。両親の離婚を止めたいという航平の願いを叶えるため、彼らは別居中の航平の父親を訪ねることに――。逆境でもたらされる、ささやかな奇跡の連鎖を描く感動の物語。
最近以前に比べて小説を読むペースが落ちています。
以前は1週間に3冊位読んでいたと思うのですが最近は仕事の疲労もあり1週間に1冊読めるかどうかというところです。
疲れてくるとミステリー系を読むのが辛くなってくるので感動系の話にしようと思い「キャロリング」をチョイスしました。
有川浩さんの小説と言えば「阪急電車」が超有名で、それ以外の作品を読んだことはなかったのですが「キャロリング」もなかなかほっこり出来る小説でした。
読み終えた後にほっこりしたいという方におすすめ出来る1冊です。
ネタバレ感想
本作は2つの物語を軸に進んでいきます。
一つはクリスマスに倒産が決まった子供服メーカーの社員である大和俊介と元恋人の柊子の恋愛模様について。
もう一つは大和達が務める会社に併設された学童に通う小学生の航平とその両親である圭子と祐二の話。
圭子と祐二は祐二の浮気が原因で別居しており離婚間近です。
でも航平はどっちも好きだから何とか離婚を辞めさせたい。
でも両親はなかなか意地になってうまくいかない。
そんな航平を見て大和と柊子が協力をしてといった感じで2つの話が交わっていきます。
最終的に圭子と祐二は離婚することになります。でも圭子は祐二を航平の父親であることは認めます。
それならなんで離婚をと思いますが父親であることは認めるけど旦那としては認められないということのようです。
途中で航平の誘拐事件なんかもあったりしますが、最初から犯人は明らかなのでミステリー要素は皆無です。
どちらかというと登場人物の絆を深まらせるために誘拐事件があったという感じです。
一方で大和と柊子は航平の後押しもあり最後にうまくいってハッピーエンドでした。
この本を読んで一番感じたことは小学生って色々考えているんだなということ。
もちろんこの小説の中の小学生である航平の話なので実際の小学生がどうかは正確にはわかりません。
だけど多分小学生は大人が思っているより大人なんだろうなという気がしました。
文庫本で450P位ありますが結構さらっと読めました。
普段読んでいるミステリーだと結構読み返しながらこれはあの時のが伏線だったのかと一人で盛り上がりながら読んでいますが本作はそんなこともなくさくさく読めるので、一気読みです。
心温まる話が読みたいという方にお勧めしたい1冊でした。