【小説】誰彼(たそがれ)|法月綸太郎シリーズのネタバレ感想

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法月綸太郎シリーズの誰彼(たそがれ)についてのネタバレ感想記事です。

頭脳をフル回転しても理解するのに時間がかかる大作でした。

内容はとても面白かったですよ。

あらすじ
謎の人物から死の予告状を届けられた教祖が、その予告通りに地上80メートルにある密室から消えた。そして4時間後には、二重生活を営んでいた教祖のマンションで首なし死体が見つかる。死体は教祖?なぜ首を奪ったか?連続怪事の真相が解けたときの驚愕とは?新鋭の骨格豊かな力作。
「BOOK」データベースより

 

ネタバレ

二転三転どころか四転五転してどんでん返しが続く展開でした。

それでは早速事件の内容を登場人物とともに整理していきたいと思います。

 

 

ここからは犯人をネタバレしていくので未読の方はご留意ください。

 

 

 

 

 

 

登場人物

・甲斐辰郎
養子に出された安倍誓生、安倍兼等の実の兄。
祈りの村で偶然再会した安倍兼等に殺害される。
難聴になったため耳を手術した経歴がある。

 

安倍誓生
生まれたばかりの頃に安倍兼等と一緒に養子に出される。
甲斐辰郎は実の兄。
兼等と違い養父からは寵愛を受けていた。
町で偶然、甲斐辰郎になりすました兼等に出会い、その後は兼等と入れ替わり生活を行うことになる。
※兼等に入れ替わりを提案したのは自分の変化のない生活に飽きていたため。

兼等からは養父の愛情を独り占めしていたことで恨みを買っていた。
マンションで見つかった首なし死体は誓生のもの。
なお、最後まで双子の弟である兼等のことを兄の甲斐辰郎だと思っていた。

 

・安倍兼等
生まれたばかりの頃に安倍誓生と一緒に養子に出される。
甲斐辰郎は実の兄。

なお今回の事件の犯人。
まず偶然祈りの村で再会した甲斐辰郎を殺害し、甲斐辰郎に成り代わる(なお最初に兼等を殺害しようとしたのは出したのは辰郎の方なのである意味正当防衛といえる)。

その後は甲斐辰郎の名前を使い教祖(メンター)として教団を発展させていく。
その後秘密の抜け穴を使った二重生活(教祖とマンション暮らし)を楽しんでいたがその様子を双子の兄である誓生に見つかってしまう。
二重生活を見られるという弱みを握られたため誓生から提案された入れ替わり生活を了承する。
養父の寵愛を一人占めしていた誓生を憎んでいた兼等はマンションで誓生を殺害し、その後は誓生に成り代わっていた。
なお誓生に入れ替わった理由は誓生が一緒に生活している養父を殺害するため。
※養父はかつて兼等を冷遇していた。

最後は法月綸太郎に謎を解かれて逮捕される。

 

・斎門亨
教団理事の一人。
大島佐知子とかつて不倫関係にあった。
大島源一郎は斎門の子供。

 

・坂東憲司
教団理事の一人。
斎門亨とは敬遠の仲。

 

・江木和秀
弁護士

 

・大島佐知子
教団職員。
斎門亨とはかつて不倫関係にあった。

 

・大島源一郎
佐知子と斎門の間に出来た子供。

 

・甲斐留美子
甲斐辰郎の妻。夫婦仲は冷え切っていた。

・山岸裕美
甲斐辰郎の秘書。
法月綸太郎を事件の探偵役として呼んだ。

・法月綸太郎
本シリーズの主役にして探偵役。
色んな視点からの推理を展開してくれる。

 

論点をネタバレ

本作品はかなり入り組んだややこしい話でした。

一度読んだだけでは論点を理解しきれない方もいるのではと思いメインの論点をまとめていきたいと思います。

 

A1
結局マンションで殺害された首なし死体は誰であったのか?

Q1
安倍誓生。
双子の弟である安倍兼等に甲斐辰郎に見せかけて殺害された。
首を持ち去ったのは本物の甲斐辰郎の耳には手術痕が残っていたため、首を残して置くと甲斐辰郎でないと気付かれてしまうため。
兼等は辰郎に成りすまして生活していたが、その生活に飽きていたため、誓生を辰郎に見せかけて殺害したのであった。

 

A2
安倍兼等はどのような足取りを辿ったのか?

Q2
①祈りの村で実の兄である甲斐辰郎と再会する。二人はお互いが兄弟であることを認識する。
②甲斐辰郎に怖い存在と認識される。
③甲斐辰郎に殺害されそうになるが逆に殺害する。そうして甲斐辰郎に成り代わる。
④甲斐辰郎に成り代わり教団を大きくする。
⑤教団のメンターという立場に飽きて教団のメンターとマンション暮らしの二重生活を始める。
⑥二重生活をしているところを双子の兄の誓生に見つかる。その際は自身を甲斐辰郎と名乗る。
⑦誓生から生活を入れ変わることを提案されて受け入れる。
⑧誓生を甲斐辰郎に見せかけて殺害する。
⑨誓生に成りすまして生活する。そうして自分に愛情を注がなかった養父を殺害しようとする。

 

Q3
教団に脅迫状を送り付けたのは誰か?

A3
甲斐辰郎に成りすました安倍兼等。

 

感想

いやー、本当に面白かったです。

最後まで展開が読めずにページをめくる手が止まりませんでした。

兼等の生死がかなりあやふやなものだったので、生きているのではと思いましたが本当に生きていましたね。

容疑者が多すぎる上に、綸太郎の冴えわたる推理も色んな方面に飛んでいくので読了まで結構時間がかかりましたが、中だるみする感じはなくて最後まで楽しめました。

未読の方はぜひ読んでみて下さいね。

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