【小説】ふたたび赤い悪夢|法月綸太郎シリーズのネタバレ感想

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法月綸太郎シリーズの「ふたたび赤い悪夢」のネタバレ感想記事です。

あらすじ
法月綸太郎のもとに深夜かかってきた電話。救いを求めてきたのはあのアイドル歌手畠中有里奈だった。ラジオ局の一室で刺されたはずの自分は無傷で、刺した男が死体で発見される。恐怖と混乱に溢れた悪夢の一夜に耐えきれず、法月父子に助けを願い出た。百鬼夜行のアイドル業界で“少女に何が起こったか”。
「BOOK」データベースより

ネタバレ

著者の過去作品である「雪密室」「頼子のために」の完結編です。

文庫本にして600P超えの長編です。若干中だるみ感はありましたが、相変わらず読みやすい文章で問題なく最後まで楽しめました。

 

 

 

 

ここから犯人や事件の内容をネタバレしていきますので未読の方はご留意ください。

 

 

登場人物

事件に関係のあるメインの登場人物のみです。

 

・中山美和子

アイドル。芸名は畠中有里奈。

母親の通代が殺人犯であると思っており、自分にもその血が流れていると思っている。

自分が大杉を刺殺してしまったと勘違いし、そのショックから精神的に落ち込んでしまうが、最後は真実を知り立ち直る。

・中山通代

美和子の実の母親。

17年前の事件で夫の利則と息子の実若を殺害した後に自殺したと思われていた。

しかし実は通代は誰も殺害しておらず、さらには死亡しておらず現在は森山尚子と名前を偽り、映画監督である森山監督の妻として生活している。

・中山雅之

利則の兄。

通代とは古くからの幼馴染。

通代と浮気をしており通代が生んだ二人の子供の実若と美和子は実は雅之の子供であった。

つまり美和子の実の父親。

身寄りがなくなった美和子を養子として育てる。

・中山稔

雅之の息子。

現在は大学生であり、妹の美和子に愛情に近い感情を抱いている。

美和子の母親が殺人犯であるという告発文を送り事件をかき回した。

・中村利則

通代の夫。

実若と美和子が自分の子どもではなく兄の雅之の子どもであると感づき、特に自分に懐いていなかった実若を殺害してしまう。

その後兄の雅之を呼び対峙する。

しかし雅之は通代と関係を持ったことを頑として認めなかったため、利則は本当に自分の子どもを殺してしまったと思い自殺してしまう。

このように書くと被害者に見えるが、そもそも女遊びや荒れた性格から通代の浮気の原因を作ったのは利則でもあるのが何とも言えない。

・葛西社長

美和子が所属するマーキュリー企画の社長。

元デルタ・ミュージックの社員であったが本田のやり方に嫌気がさして飛び出した。

アイドルの素質を見抜くことに長けており美和子を事務所の希望と考えている。

しかし長年の無理がたたり体はボロボロであり作中で死亡してしまう。

死ぬ前に自分がいなくなった後のマーキュリー企画は元妻である百合子に全てを託す。

その後百合子はマーキュリー企画を美和子と立て直すために奮闘する。

作中で唯一黒いところがない人。

・本田誠一

デルタ・ミュージックのお偉いさん。

葛西をデルタ・ミュージックから追い出した張本人。

葛西を潰すことを執念を燃やす。

そのために美和子を陥れようとする。

部下の宮前に命じて美和子に偽装の傷害事件を起こさせようとした。

・宮前三郎

大杉殺害事件の犯人。

デルタ・ミュージックの社員で本田の部下。

美和子を陥れるために大杉を使い偽装の傷害事件を起こさせようとするが失敗する。

・大杉駿一

事件の被害者であり加害者。

宮前に命じられて美和子から偽のナイフで刺される役割を演じようとするが、逆に本物のナイフで美和子を刺してしまったと勘違いする。

この大杉の勘違いにより事件がどんどん大きくなっていった。

・森山監督

人気の映画監督。

自殺を決意していた通代を救い、新たに尚子という名前を授ける。

以後は自分の妻としてそばにおき一緒に暮らす。

・法月綸太郎

探偵。途中の迷走も含めて読者を楽しませてくれる。

 

事件の概要

・大杉駿一殺害事件

<犯人>
宮前三郎

<動機>
森山監督の弱みを握るため。

<事件の概要>
デルタ・ミュージックの本田と宮前が葛西を陥れようと美和子に偽の傷害事件を起こさせようと画策する。

そのために大杉を使い、偽物のナイフを持って美和子に迫り、そのナイフで大杉を美和子に刺させようと計画する。

しかし大杉は美和子ともみ合っているうちに偽のナイフで美和子を刺してしまう。

大杉は美和子が倒れてしまったため、現場に残して置くために所持していた本物のナイフで誤って美和子を刺してしまったと勘違いする。

そして大杉は美和子を刺してしまったという誤った事実を宮前に報告する。

その報告をこっそり聞いていた美和子の実の母である通代(尚子)は怒りを感じ大杉の所持していたナイフを一瞬の隙に奪い取り大杉を刺してしまう。

大杉を殺してしまったと思った通代は現場から立ち去る。

しかし大杉はピンピンしていた。

それもそのはずで通代が奪い取ったナイフは偽物のナイフの方で殺傷能力がなかったからだ。

宮前は通代が大杉を殺害してしまったと勘違いしている状況は好都合と考えた。

なぜなら森山監督の弱みを握れると考えたからだ。

妻である通代が殺人犯であるとばらされたくなければ言うことを聞けと脅せば森山監督を意のままに操れると思ったのだ。

そのプランを実現するためには本当に大杉が死亡していなければならないので、宮前が本物のナイフで大杉を刺殺したのであった。

 

・中村利則及び中村実若殺害事件(17年前の事件)

<犯人>
中村利則

<動機>
実若が自分の子どもでなく兄の雅之の子どもだと疑ったため。

<事件の概要>
利則と通代は結婚したものの結婚生活はうまくいっていなかった。

そして通代は利則の女遊びがひどいことを幼馴染である雅之に相談していた。

そんな相談を受けているうちに雅之と通代はお互いが好きであることに気付き関係を持ってしまう。

そうして生まれたのが実若と美和子であった。

利則は実若が自分ではなく兄の雅之に似ていることに気が付き、実若が自分の子どもではないと疑う。

精神的に不安定だった利則はとうとう行動を起こす。

自宅で実若を殺害してしまうのだ。

そして兄の雅之を呼びつけて、通代と浮気したことを認めろと問い詰める。

しかし雅之は頑として関係を持ったことを認めなかった。

その雅之の態度を見た利則は本当は実若は自分の子どもだったのではないかと疑心暗鬼になり、ショックを受けてショットガンで自殺してしまったのであった。

その後通代は事件の全ての罪をかぶることを決意し、自分が犯人であるように偽装する。

そして美和子を雅之に頼んで失踪してしまうのであった。

感想

法月綸太郎シリーズを読んで思うことは入れ替わりネタが多い(笑)

実は死んだと思っていたら誰々として生きていた、実は誰々と誰々は入れ替わっていた等。

まぁ面白いから良いのですけどね(笑)

今回のポイントは美和子の母である通代が森山監督の妻である尚子として生きていたことですね。

入れ替わりがあるのだろうと思ってはいましたがこれには気づきませんでした。

途中ちょっと余計な情報が多い気もしましたが最後まで楽しめる一冊でした。

未読の方はぜひ読んでみて下さいね。

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