【小説】御手洗潔のダンス|ネタバレ解説

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島田荘司氏による御手洗潔シリーズの一つ「御手洗潔のダンス」のネタバレ感想記事です。

本作は4つの短編で構成されています。

 

あらすじ
人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。そして四日目、彼は地上二十メートルの電線上で死体となっていた。しかも黒い背広姿、両腕を大きく拡げ、正に空飛ぶポーズで。画家に何が起きたのか?名探偵御手洗潔が奇想の中で躍動する快作集。
「BOOK」データベースより

 

 

 

ネタバレ

ここから4つの短編ごとにネタバレしてきますので未読の方はご留意ください。

 

 

山高帽のイカロス

人間は空を飛べるはずだと主張していた幻想画家が、4階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。

そして4日目に画家は地上20メートルの電線上で死体となっていた。

しかも黒い姿で両手を広げた空を飛ぶポーズで。

一体何があったのか。

 

<登場人物>

・赤松稲平
事件の被害者。画家。日頃から空を飛べると主張していた変人。
空を飛ぶ絵ばかりを描いていた。

・氷室志乃
事件の犯人。赤松稲平の妻だが現在は別居中。
ファッションブランドの社長をしている。

・湯浅真
赤松稲平の友人。

・古川精治
事件の共犯。
氷室志乃の秘書。

 

<事件の真相>

犯人は稲平の妻である氷室志乃とその秘書である古川。

古川と氷室はドラッグ中毒であり、赤松もおすそ分けをもらってドラッグ中毒になっていた。

更に赤松は氷室がドラッグをやっていることをネタにゆすりかけて自身の生活費を援助してもらっていた。

自分たちをゆすってくる赤松が目障りになった氷室と古川は赤松を始末することにした。

 

湯浅が部屋を訪ねた時に赤松が姿を消したのは氷室と古川に既に殺害されていたから。

二人は殺害後、死体を処理しようとしていたが丁度そのときに湯浅が部屋を訪ねてきたため、死体をベッドの下に隠して二人は窓から逃げた。

運よく湯浅に死体を発見されることはなかったが死体をこのままにしておけないと考えた氷室と古川は、後日また部屋を訪れる。

そして赤松の部屋の窓が開いたままになっているのに気づく。

人に見つからないように二人はなんとか開いている窓から死体を取り出そうとする。

苦肉の策で屋上に上った二人。

屋上から降りて4階の赤松の部屋の窓から侵入する。

そして赤松の身体にロープを結ぶ。

ロープの逆側を近くを走っている電車の屋根にひっかけて電車に引っ張ってもらうことで死体を部屋から出そうとしたが、うまくいかず死体は電線の上まで飛び上がってしまったのだった。

その際に古川はロープに腕がからまり片腕を失い、その後病院に行く途中で交通事故を起こして死亡。

そして氷室は古川の腕がちぎれたシーンを目撃した精神的ショックで半狂乱状態になってしまい療養することとなった。

 

ある騎士の物語

ある雪の日に一人の男が殺された。

動機を持つものはいたが終電もなく、雪も降っていたため犯行現場まで移動することは無理と考えられた。

どのように犯行現場まで移動したのか。

<登場人物>

・藤堂
事件の被害者。会社の社長。会社の金を持って姿をくらました。

・橋本
藤堂の会社の社員。

・滝口
藤堂の会社の社員。

・村上
事件の犯人。藤堂の会社の社員。

・依田
藤堂の会社の社員。

・静香
藤堂の同棲相手だが、弟を藤堂に間接的に殺されたと考えており恨んでいる。

 

<事件の真相>

静香の恨みを晴らすために、静香に憧れる村上が犯行を起こした。

当時雪が降っていたため、橋本、滝口、村上、依田、静香のいる場所から藤堂が殺害された犯行現場まで行くのは車やバイクを使うことが出来ず無理であった。

更に終電も終わっていた。

村上は趣味で作っていたカートを使い終電が終わった線路の上を走り犯行現場まで向かったのだった。

そこで藤堂を殺害した。

力技の犯罪。

 

 

舞踏病

夜になると踊りだす老人。

そして古い格好をして老人のもとに毎日通う息子を名乗る男。

 

<登場人物>

・由利井源達
夜になると踊りだす老人。認知症が始まっている。

 

・由利井宣孝
スナック経営者。源達を老人施設から引取り父親として家に置く。

 

・カナヤ
由利井宣孝の仲間

 

<事件の真相>

はるか昔に宝石強盗事件が起きた。

その後泥棒一味が逮捕されたため宝石の大半は戻ったが一番高価な宝石は行方がわからなかった。

その宝石は泥棒の知人であった由利井源達に預けられていたからだ。

当時歯科医師の見習いをしていた由利井源達は自分の奥歯の中に一番高い宝石であるダイヤモンドを隠した。

その後泥棒達は地震が起きて拘置所の中で死亡してしまう。

それから更に60年の月日が流れる。

 

由利井源達は認知症をわずらい自分の奥歯にダイヤモンドを隠したことを忘れてしまう。

 

由利井宣孝は一人の老人がダイヤモンドを隠し持っているという噂を聞きつけ、源達に接触する。

しかし源達は認知症で自分が隠したダイヤモンドのありかを忘れてしまっていた。

何とか隠し場所を明らかにしたい宣孝は源達に当時の記憶を呼び起こしてもらうために、わざわざ古い格好をして昔の仲間の名前を名乗り源達に接触していたのだった。

なお源達が夜になると踊りだす舞踏病はスルピリドという医者から投与された治療薬の過剰投与によるものだった。

 

近況報告

事件ではなく石岡から読者への御手洗の近況報告。

御手洗の最近の状況や好みなどが記載されている。

・御手洗は日本語より英語が得意

・御手洗は煙草が徹底して嫌い。

・御手洗は酒は好きだが泥酔するまで飲むことはない。

等々

 

 

感想

話としては舞踏病が面白かったです。

ある騎士の物語はストーリーとしては面白かったですがトリックの力技感が凄かったですね。

 

未読の方はぜひ。

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