【小説】御手洗潔の挨拶|ネタバレ解説

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島田荘司氏による御手洗潔シリーズの第3弾「御手洗潔の挨拶」のネタバレ感想記事です。

「占星術殺人事件」「斜め屋敷の犯罪」が長編であるのに対して、「御手洗潔の挨拶」は短編です。

しかし侮ってはいけません。

クオリティはどれも高いです。

 

あらすじ
嵐の夜、マンションの十一階から姿を消した男が、十三分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。男は殺されるために謎の移動をしたのか?奇想天外とみえるトリックを秘めた四つの事件に名探偵御手洗潔が挑む名作。
「BOOK」データベースより

 

 

 

ネタバレ

ここから4つの短編ごとにネタバレしてきますので未読の方はご留意ください。

 

 

数字錠

密室殺人事件。

事務所の一室で社長が殺害された。

出入口は二つあったが、一つは3桁のダイヤル式の数字錠、もう一つは通常の鍵で閉じられていた。

果たして犯人はどのように出入りしたのか。

 

<事件の真相>

犯人は社員の宮田。

しかし宮田も含めて社員の4人は犯行時刻に全員が寮から事務所までトラックで出勤しているためアリバイがあった。

だが宮田は最年少ということもありトラックの荷台に乗って出勤していた。

トラックの荷台に乗っていることを利用し、出勤途中にこっそり荷台から降りて地下鉄を利用し、事務所まで行き社長を殺害し、またトラックの荷台にこっそり戻ってきてみんなと出勤したように見せかけたのだ。

なお御手洗によると数字錠は3桁なので全部のパターンを試しても30分ちょっとで開錠できるとのこと。

 

疾走する死者

嵐の夜に、マンションの11階の部屋から姿を消した男が、13分後、走る電車に飛びこんで死んだ。

しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。

果たして何が起きたのか。

 

<事件の真相>

被害者の男は既にマンションのベランダで殺害されていた。

11階の部屋から出て行ったように見えたのは犯人の変装であった。

実は犯人と被害者は泥棒コンビであり、その日もマンションの一室で集まった人たちから金品を盗む算段をつけていた。

そのためにベランダからロープを使い、犯人の車のそばまで結んでおいた。

部屋で盗んだ金品をロープを使い自分の車まで持ち出すためだ。

 

しかし犯人と被害者はベランダで口論になり被害者は絞殺されてしまう。

犯人はどうにかして死体を処理しなければと思い、金品を持ち出すために準備していたロープを使い自分の車のそばまで死体を移動させようとしたが、ロープは振り子の原理で大きく揺られて高架線の線路の上まで死体が飛んでいってしまったのだ。

 

紫電改研究保存会

謎の男尾崎に誘われて男は招待状を書く手伝いをするように言われた。

招待状を書いたらすぐに解放された。

その後謎の団体から領収書が届いた。

果たして尾崎の目的は何なのか、領収書の意味は何なのであろうか。

 

<事件の真相>

尾崎は詐欺師であった。

尾崎の目的は男が持っていた当選宝くじ。

男は爪に購入した宝くじの番号を書く癖があったので、尾崎に当選宝くじを購入していることを知られてしまった。

男に招待状を書かせている間に尾崎の仲間が男の家に入り込み、当選宝くじを外れ宝くじにすり替えたのだった。

後に届いた領収書は当選した宝くじの金額であった。

 

ギリシャの犬

近所でたこ焼き屋の屋台が盗まれるという事件が発生した。

そして現場には謎の暗号が残されていた。

たこ焼き屋の屋台が盗まれてからしばらくした後に誘拐事件が発生した。

果たしてたこ焼き屋の屋台が盗まれた理由は?

そして誘拐との関連は?

 

<事件の真相>

犯人は誘拐した子供を監禁するための場所として、たこ焼き屋の屋台を盗んだ。

たこ焼き屋の屋台をマリーナのプラットフォームとすり替えて、その中に子供を監禁したのだ。

暗号の内容は絵であった。

隅田川にかかっている橋を絵で表していたのであった。

 

感想

管理人としては紫電改研究保存会が一番お気に入りです。

あの手この手で招待状を書かせる手伝いをさせて実は狙いは当選宝くじとは思いませんでした。

まぁ爪に番号を書いているくらいで当選宝くじの持ち主を突き止められるかは微妙ですけどね。。

しかし話はきれいにまとまっていて良かったです。

 

未読の方はぜひ。

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