ネタバレ感想|クリムゾンの迷宮『貴志祐介』

小説

バトル・ロワイアルと並ぶデスゲーム小説のトップ2です。

過去読んだことがあるクリムゾンの迷宮を再読しました。

無性に読み返したくなる時があるんですよね。

管理人はデスゲーム小説が結構好きで読んでいるのですが、クリムゾンの迷宮は個人的にバトル・ロワイアルと並ぶツートップです。

バトル・ロワイアルが好きでクリムゾンの迷宮を読んでいない方はぜひ読んで頂きたい作品です。

※ただし若干グロい描写もあるので苦手な方は注意してください。

あらすじ

藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を、深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ? 傍らに置かれた携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。『黒い家』で圧倒的な評価を得た著者が、綿密な取材と斬新な着想で、日本ホラー界の新たな地平を切り拓く、傑作長編。

Amazonより

 

ネタバレ

ここからはネタバレしていきますので未読の方はご留意ください。

 

 

 

 

 

 

クリムゾンの迷宮は主催者が高額なバイト広告で集めたプレイヤーたちに殺し合いをさせる小説です。

以降はQ&A方式でネタバレしていきます。

 

 

 

Q1
クリムゾンの迷宮の舞台はどこか?

A1
オーストラリア大陸にあるバングル・バングル公園。
毎年1月から3月は閉園されていて人が近づかないため外界とは隔離された空間となる。

 

Q2
主催者がプレイヤーに殺し合いをさせる目的は何か?

A2
スナッフ・ピクチャーと呼ばれるリアルな殺人のビデオを撮影し売るため。
そのためゲームの舞台となるバングル・バングル公園には数多くの隠しカメラが仕掛けられており、プレイヤーたちの行動は撮影されていた。

 

Q3
ゲーム序盤でのルート選択がどのように影響するか?


A3
クリムゾンの迷宮ではゲーム序盤でプレイヤーは東西南北の内、一つのルートを選択し進んでいくことになる。
このうち、どのルートを選ぶかで生存できるかがほぼ決定する。
東ルート:サバイバルのためのアイテムが入手できる
西ルート:護身用のアイテムが入手できる
南ルート:食糧を入手できる
北ルート:情報を入手できる

一見食糧を入手できる南ルートが正解に見えるが南ルートはトラップ。
南ルートで入手できる食糧は主催者により様々な薬物が注入された危険なシロモノだからだ。
その食糧を食べたものは薬物の効果で著しく攻撃的になり外見も怪物のようになってしまう。
その結果、南ルートを選んだ者はゲーム内では食屍鬼(グール)としてプレイヤーを狩る役割にされてしまう。

一方唯一の正解は北ルートで情報を入手することである。

ここで入手した情報をもとにバングル・バングル公園内で食べれる物の見極め方や、生き残るためのアイテムを入手することが唯一の生存方法である。

 

Q4
各プレイヤーの顛末をはどのようになるか?

A4
各プレイヤーの概要と顛末は下記。

・藤木芳彦(ふじきよしひこ)

本作の主人公。

40歳。

一昨年までは大手の証券会社に勤務していたが会社が倒産して失業者となった。

最初の東西南北の内、唯一の正解ルートである北のルートに進みゲームに生き残るための情報を入手した。

ゲーム序盤に出会った大友藍とパートナーになり以後は最後まで一緒に行動する。

ゲーム中盤までは他者と接触せずに藍を二人で生き残ることに集中するが、最後は食屍鬼(グール)と化した楢本と加藤のペアと戦うことになる。

加藤をうまく罠に誘いこみ槍で倒すことに成功する。

楢本には最後の最後まで追い込まれて絶対絶命となる。

いちかばちかで毒蛇がいるV字谷に逃げ込む選択をする。

楢本は毒蛇に咬まれて絶命するも藤木自身も毒蛇に咬まれてしまう。

しかし主催者側が用意してくれた血清により一命をとりとめる。

気が付いた時には日本に運ばれて自室に横たわっていた。

そしてゲームを勝ち抜いた賞金として500万円を主催者から受け取る。

藤木はその500万円をもとに主催者の調査と藍を探すのであった。

 

・大友藍(おおともあい)

本作のヒロイン。

エロ漫画家と名乗るが名前も含めて全て嘘。

かつて薬物中毒になり片目を失った。

実は主催者側の人間であり、スナッフ・ピクチャーを撮るためにプレイヤーに扮してゲームに参加していたのだ。
※失った片目は義眼でカメラが仕込まれていた。

ゲーム開始直後に一人一台与えられたゲーム機を壊してしまうという失態を犯す。

ゲーム機がないとプレイが困難であるという理由から最初に出会った藤木とパートナー関係になり以後は一緒に行動する。

最初の東西南北のルート選択では藤木と一緒に北のルートを選択し情報を入手する。

数々の危機を乗り越えて藤木とともに最後まで生存する。

 

・野呂田栄介(のろたえいすけ)

42歳。

ゲームマスターであり主催者側の人間。

以前は先物取引会社のセールスマンを務めていたというが真偽は定かではない。

ゲームの進行役として主催者側に送り込まれたと思われる。

最初の東西南北のルート選択では加藤とともに東のルートを選択しサバイバルアイテムを入手する。

ゲームマスターという立場から自分は殺されることはないと考えていたふしがある。

しかし最後は無情にも楢本らが放ったボウガンにより絶命する。

 

・安部芙美子(あべふみこ)

40代後半。夫とは離婚している。

偏屈な人物。

最初の東西南北のルート選択では楢本、鶴見と一緒に南のルートを選び食糧を入手する。

しかしグールと化した楢本と鶴見に殺害されて食糧として食べられて絶命する。

 

・船岡茂(ふなおかしげる)

30代前半。身長165センチ程度。

競艇にはまり会社の金に手をつけたため解雇された。

最初の東西南北のルート選択では妹尾と一緒に西のルートを選び護身用のアイテムを入手する。

妹尾には奴隷のように扱われており様々な暴行を受ける。

そのことに腹を立てて楢本と鶴見に寝返るが最終的にはグールと化した彼らに殺害されて食糧として食べられて絶命する。

 

・加藤高道(かとうたかみち)

51歳。最年長。

以前は中学校の教師をしていた。

最初の東西南北のルート選択では野呂田と一緒に東のルートを選びサバイバル用のアイテムを入手する。

グールと化した楢本と鶴見に食糧にするために殺害される。

 

・楢本真樹(ならもとまさき)

29歳のフリーター。

最初の東西南北のルート選択では鶴見、安部と一緒に南のルートを選択し食糧を入手する。

食糧には主催者が各種の薬物を注入していたためグールと化し、ゲームの敵役となる。

まず安部を殺害し食糧にしたあと、加藤、妹尾、船岡、野呂田も殺害し食糧とする。

最後は藤木にV字谷に誘い込まれて毒蛇に咬まれて死亡する。

 

・妹尾純一(せのおじゅんいち)

31歳の多重債務者。2メートル近い巨漢。一見温和な性格。

当初は温和と思われていたがかなり残虐な男で船岡を奴隷として扱っていた。

最初の東西南北のルート選択では船岡と一緒に西のルートを選択し護身用のアイテムを入手する。

その体格から楢本と鶴見に危険視される。

船岡が楢本らに寝返ったこともあり、奇襲を受けて楢本らに殺される。

 

・鶴見克哉(つるみかつや)

以前は出稼ぎ労働者として働いていた。

最初の東西南北のルート選択では楢本、安部と一緒に南のルートを選択し食糧を入手する。

食糧には主催者が各種の薬物を注入していたためグールと化し、ゲームの敵役となる。

まず安部を殺害し食糧にしたあと、加藤、妹尾、船岡、野呂田も殺害し食糧とする。

最後は藤木の作った罠にかかり槍にのどをつらぬかれて死亡する。

 

Q4
大友藍の目的は何か?

A4
大友藍は主催者側の人間でプレイヤーに扮してゲームに参加していた。
その目的は間近でスナッフ・ピクチャーの撮影をすること。

ゲームの舞台となるバングル・バングル公園には多くのカメラが仕掛けられていたが、それだけでは作品として物足りないと考えた主催者が間近での映像を入手するためにカメラマンとして藍を送り込んだのだ。

藍の片目は義眼でその眼にはカメラが仕込まれていた。

当初は女性であることを生かして数多くのプレイヤーと接触することを想定していたが、アクシデントが起きてしまう。

ゲームに必須となるゲーム機を壊してしまったのだ。

そのためゲームに参加するために彼女は最初に出会った藤木とパートナー関係を結ぶことになる。

藤木とパートナー関係になったことで多くのプレイヤーを撮影することが出来ず、藤木メインのビデオになってしまい映像としての価値が落ちてしまうと考えた藍は藤木を最後まで生き残らせて、活躍させることでビデオしての価値を持たせようとした。

そのため最初の東西南北のルート選択では唯一正解となる北のルートを選択するように藤木にアドバイスしたり、重要な局面では同様に藤木が死亡しないようにアドバイスしていた。

ここからは管理人の推測だが一緒にプレイをするうちに藤木への信頼感や思いは本物になっていたようである。

恐らく最後毒蛇に咬まれて死の運命にあった藤木が助かったのは藍が無理をいって主催者側に藤木を助けるように懇願したからだと思われる。

そうでなければゲームの内容を知る藤木を生かしておくメリットは主催者側には全くないからである。

もしそうだとすると無理を聞いてもらえる位には藍の組織内での立場は高いものなのかもしれない。

感想

冒頭でも書きましたが管理人の中ではバトル・ロワイアルと並びデスゲーム小説のツートップです。

グールあたりの描写にグロいところもあるので苦手な人は要注意ですが、そうでないデスゲーム小説好きの方にはぜひ読んで頂きたい小説です。

最初の東西南北のルート選択でほぼすべてが決まるというのは面白かったです。

自分だったらどれを選ぶかなーと想像しながら読んでました。

色々なゲームをやっていたりすると情報が大事なのはわかるのですが、実際に危機迫った場面で実物のアイテムでなく形のない情報を選択するというのはかなり勇気がいる行動だと思います。

藤木は藍がいなければ南のルートを選んでいたので間違いなく死亡していましたね。

 

ラストで生き延びた藤木は何とかして藍を探そうとしますが果たしてどうなるのか。

再会してほしいですが厳しいのでしょうね。

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