【漫画】めぞん一刻|音無響子が五代裕作を選んだ理由を考察

ラブコメ漫画の金字塔めぞん一刻。久しぶりに全巻を読み返しました。今回読み返したことで、なぜ響子さんは五代君を選んだのか自分なりに理解出来たのでまとめてみようと思います。

簡単な作品紹介

この記事を読んで頂く方には今更語るまでもありませんが、一応書いておくと「めぞん一刻」は高橋留美子先生によるラブコメ漫画です。おんぼろアパートの一刻館を舞台に不器用でお人好しな五代君と美人で未亡人である管理人響子さんとの恋愛を描いています。

ラブコメ漫画なので恋愛要素だけではなくかなり個性的なキャラが周りを固めておりコメディとして十分笑えます。

管理人的には2年に1回くらいは全巻を読み返している定期的に読みたい漫画です。

ちなみに有名な話ですが漫画のメインキャラの苗字は全て数字が使われています。

1⇒一の瀬 花枝(一刻館の住人)

2⇒二階堂 望(一刻館の住人)

3⇒三鷹 瞬(響子さんを狙う五代君のライバル)

4⇒四谷(一刻館の住人)

5⇒五代 裕作(一刻館の住人。本作の主人公)

6⇒六本木 朱美(一刻館の住人)

7⇒七尾 こずえ(五代君のガールフレンド)

8⇒八神 いぶき(五代君の教育実習の時の教え子)

9⇒九条 明日菜(三鷹さんの婚約相手)

0⇒音無 響子(一刻館の管理人。ヒロイン。音がないので0)

響子さんが五代君を選んだ理由

さてここからが本題です。

響子さんには五代君と三鷹さんの二人がアプローチをしていました。しかし最終的に響子さんが選んだのはお金持ちでハンサムな三鷹さんではなく、優柔不断で経済力がない(が優しい)五代君でした。

なぜ五代君を選んだのか。1巻から読み直してそれは二人の響子さんに対するアプローチ(というか考え方)の違いだと気づきました。

未亡人である響子さんと結ばれるための一番の障害は、響子さんの亡き夫惣一郎への想いにどう決着をつけるかです。響子さんにとって惣一郎はとてもとても大きな存在ですからこの想いに決着をつけず結ばれることは出来ません。

五代君と三鷹さんのスタンスの違い

さて上述のとおり響子さんと結ばれるための一番のポイントは響子さんの惣一郎への想いにどのように決着をつけるかです。

ここに対する五代君と三鷹さんのスタンスは明確に異なります。

三鷹さんのスタンス

三鷹さんは自分に自信があります。イケメンかつお金持ちで今までモテまくってきたのだからそれも当然です。そんな三鷹さんのスタンスは亡き夫惣一郎への想いも含めて過去を断ち切り自分と新しい生活をスタートしようというものです。

つまり響子さんの悲しい想いを全て断ち切り自分が新しい楽しい思い出を作るから大丈夫。というものです。自信あふれる三鷹さんらしい考え方と言えます。

五代君のスタンス

一方五代君はというと「生きていれば色んな欠点も見えてくるだろう。でも死人は無敵だ。彼女の中で理想像が増殖していく」と最初に彼自身も思ったように響子さんから惣一郎への思いを消すのは無理だと考えています。この考えはそのとおりで響子さんの中で惣一郎の存在はとてつもなく大きいです。最後にだんだんとその思いは薄まったとはいえ完全に忘れるということは出来ません。

よって五代君のスタンスは響子さんが惣一郎への想いを断ち切れないことを理解して、その上で響子さんを待つというものです。

ただしこのスタンスだけでは三鷹さんに勝つことはできません。忘れるのを待っている消極的なものですから。

勝つためにというか、響子さんと一緒にいるために成長した五代君が最後の最後に行きついた結論が響子さんの中にいる惣一郎ごと愛す。というこれ以上ない結論です。この時の五代君は当初の頼りなさはすっかり消えて実に頼もしくなっていました。響子さんが五代君と出会えて良かったと思うのも当然です。管理人はここで感動して泣きました。

よってまとめると三鷹さんは響子さんの中から惣一郎を消そうとした(自分といることでその悲しさを打ち消そうとした)に対して、五代君は響子さんが惣一郎を思い続けるのは仕方ない、だから惣一郎ごと受け入れることにしたというものです。

響子さんの中から惣一郎を消せない以上、五代君のやり方が正解なのは言うまでもありません。

あとがき

めぞん一刻は時を越えて愛される作品の一つだと思います。今回は五代君と三鷹さんのスタンスにスポットを当てましたが実は一刻館に一緒に住んでいる時点で相当五代君有利です。毎日顔を合わせるというのは恋愛において相当なアドバンテージですから。

なので三鷹さんが五代君に勝つためにはなりふり構わず一刻館の3号室に引っ越すのが正解だったかもしれません。

何回読んでも古臭さを感じずむしろ新しい発見があるめぞん一刻。管理人はきっといつまでも家に置いておくと思います。

未読の方はぜひ一度読んで欲しい作品です。

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