「医龍」で有名な乃木坂太郎先生による「幽麗塔」を読破したので主要論点のネタバレと最後までわからなかった謎をまとめていきたいと思います。
あの医龍の作者なのでつまらないことはないと思っていましたが思った以上に面白かった。というのが率直な感想です。
面白かったのですが怒涛の展開で話が進んでいき頭が整理出来ないところもあったので管理人なりに理解した部分と最後までわからなかった部分をまとめてみたいと思います。
ネタバレ
まずは管理人なりの理解をQA形式でまとめていきます。
※完全なるネタバレなので未読の人はご注意くださいね。
Q1
死番虫(しばんむし)の正体と目的は?
A1
正体は警察官である陣羽笛警部。
孤児院が金目当てで建設されていてそこにいる子供たちが蔑ろにされている日本の現状を知る。
その現状をなんとかしようと屋敷に眠る財宝を活用して自ら孤児院を建設し、子供たちを守ろうと思う。
財宝が欲しいがために財宝に近づくものを殺害してしまい、どんどん心がくるっていってしまったのであった。
当初の理念は立派だったのにどんどん転落していってしまう様は恐ろしい。
Q2
テツオの正体は?
A2
物語の原点となる「藤宮たつ」殺しの犯人とされている藤宮麗子。
実際は麗子は藤宮たつを殺害しておらず、藤宮たつを時計に張り付けて処刑したのは死番虫である。
麗子は藤宮たつを助けることが出来る時間的余裕があったが藤宮たつと様々な確執を抱えていたことから見殺しにしてしまったというのが真相。
よって藤宮たつ殺しの直接の犯人は死番虫。間接的な犯人が麗子と言える。
また麗子はたつの養女であり、本当の両親は丸部道九郎と輪田お夏である。
※輪田お夏は正当な屋敷の後継者なのでその娘の麗子も正当な後継者と言える。
Q3
テツオが太一を財宝探しのパートナーに選んだ理由は?
A3
テツオの正体は藤宮麗子である。
しかし心は男性であり自分の女性の体と男性の心が一致しないことに苦しんでいた。
心は男性であるため男性として生きていくことを望んでいた麗子には男性の戸籍が必要だった。
そのため見つけた財宝で太一の戸籍を買って太一として生きていくつもりだった。
なお太一を選んだ理由は身寄りがなく後に麗子をゆすりそうな度胸もない平凡そうな人間だったから。
※しかし一緒に行動をとみにする内にだんだんと麗子は太一に友情を感じるようになった。
Q4
藤宮たつ事件の後に発見された麗子の死体(実際は別人)は誰が用意したのか?
A4
真犯人である死番虫(陣羽笛警部)が警察の死体安置所から女性の死体を盗み麗子の死体に見せかけた。
麗子が捕まってしまうと真犯人である自分に捜査の手が伸びてくる可能性を考えて麗子の死体を偽装したと考えられる。
Q5
丸部道九郎はなぜ女性になりたかったのか?
A5
昔唯一愛したお夏の美しさにあこがれており、お夏のようになりたいと考えたため。
女性になることを実現するために自分とお夏の娘である麗子の身体と脳移植手術で入れ替わることを望んでいた。
入れ替わった後に麗子との間に子供をつくり、生まれた子供と更に入れ替わることで永遠の若さと美しさを得ようとしていた。
最後までわからなかった謎と考察
ここからは最後まで読んだものの管理人の中で謎として残った部分を挙げていきます。
謎1
輪田お夏はなぜ地下迷宮に閉じ込められたのか?
見解
一応スカラベセットを所有していた浦子が一番怪しいのは間違いありませんが、作中で回答が明かされていないため確かなことはわからないのでした。
謎2
3年後の東京で山科刑事に似た人物がいたがあの人物の正体は?
見解
エピローグとして3年後の東京が描かれています。
その中には死番虫に殺害されたはずの山科刑事そっくりの人物が描かれていました。
果たしてこの人物の正体は誰なのでしょうか?
医者のステラが山科の体に死番虫の脳を移植するという話をしていたので、素直に考えると死番虫の脳を移植された山科刑事ということになります。
ただ最後に登場した山科刑事に似た人物の眼は澄んでいてとても連続殺人犯の死番虫の脳が移植されているようには見えません。
とすると全くの別人もしくは何らかの理由で山科刑事の体には死番虫以外の人物の脳が移植されたと考えることも出来ます。
あとがき
医龍とは全然違ったテイストの漫画で非常に楽しめました。
でも主人公の太一は伊集院とそっくりですね。冴えないけどやるときはやる!という感じが。
個人的には結構太一が好きでした。
麗子と太一は今後も友情として関係が続いていくのか、二人のこの先が気になるところでした。