ネタバレ感想:ぼくは明日、昨日のきみとデートする『七月隆文』

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ぼくこと南山高寿が電車内で福寿愛美に一目惚れをして話が始まります。

福寿愛美は大きな秘密を抱えており、最初に出会った日の彼女の「また明日ねっ!」に込められた気持ちが最後にわかった時にとても切ない気持ちになります。

あらすじ

南山高寿は福寿愛美に電車内で一目惚れをし、ここで声をこけなければ絶対に後悔すると感じて勇気を振り絞って電車を降りて声をかけます。

時間とともに親しくなっていく二人ですが、南山高寿は福寿愛美の発言に違和感を抱き、彼女には何か秘密があるのではと考え始めます。

文庫本で300Pもないし、文章も読みやすいのでさくさく読めます。

 

感想(ネタバレ注意あり)

福寿愛美は南山高寿がいる世界とは別の世界の住人であった。

さらに福寿愛美のいた世界は南山高寿がいる世界と時間の流れが逆になる世界。

つまり南山高寿にとっての明日が福寿愛美にとっての昨日となります。

そして彼女は5年に一度、しかも40日間しか南山高寿のいる世界には滞在できないのです。

つまり20歳の南山高寿と福寿愛美が一緒にいられる時間は40日間しかありません。

この40日間が過ぎると次に会えるのは

南山高寿視点だと自分が25歳の時(福寿愛美は15歳)、逆に福寿愛美視点だと自分が25歳のとき(南山高寿は15歳)ということになります。

20歳の南山高寿が電車内で最初に一目惚れをしたときが20歳の福寿愛美にとっての最後のこちらのこちらの世界での滞在日になります。
※この時点での彼女は39日間高寿と既に過ごしています。
つまり彼女が別れ際にいった「また明日ねっ!」という二人の20歳の明日はもう来ないのです。

この時の彼女の気持を考えるととても切ないです。。

さらに二人はお互いが20歳の時以外にも会っています。

・高寿5歳、愛美35歳
5歳の高寿が大震災で死にそうになったのを35歳の愛美が助ける。
愛美はこれ以降高寿には会えない。

・高寿10歳、愛美30歳
二人でたこ焼きを食べる。愛美から高寿に大事な箱が渡される。

・高寿15歳、愛美25歳

・高寿20歳、愛美20歳
本小説での話

・高寿25歳、愛美15歳
20歳の二人がどのように過ごすかを高寿が愛美に話す。

・高寿30歳、愛美10歳
35歳の愛美が5歳の高寿を大震災から救うことを高寿が話す。

・高寿35歳、愛美5歳
高寿が5歳の愛美を屋台の爆発から助ける。愛美は35歳の高寿に一目ぼれする。
高寿はこれ以降愛美には会えない。

お互いがお互いの命を救い、お互いに一目ぼれをした運命の2人ですが、時間の流れが逆に進むという障害のため、生涯一緒にいるという選択は出来ません。

20歳の二人は同い年でいられる今はとても貴重な時間なんだと再認識をして残された一緒にいられる時間を別れの時まで大切に過ごしていきます。

最近涙を流していないという方にぜひよんで欲しい小説です。

 

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