【小説】ソロモンの犬|全ての謎を徹底解説

道尾さんのソロモンの犬を読了しました。

結構な伏線が用意されていましたが、最後にきれいにすべて回収されていく感じは読んでいてとても気持ち良かったです。

今回は読んでいてよくわからないところがあったという方のために作中の疑問点の解説を行います。

あらすじ
秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。そして予想不可能の結末が…。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。

ネタバレ解説

内容は全てネタバレが絡むので、未読の方はご注意下さい。

友江京也の浮気相手は誰?

秋内や京也の通う大学の先生である椎崎鏡子。

京也は母親の愛情に飢えていたため、鏡子にその愛情を求めた。

椎崎陽介死亡時の夜の京也と智佳の長電話の相手は?

京也→椎崎鏡子

智佳→木内(高校の同級生で元交際相手)

二人が同じ時間に長電話をしていたことから秋内は京也と智佳の二人が話をしていると勘違いし、二人の関係を疑っていた。

なぜ陽介の飼い犬のオービーは車道を引っ張っていったのか

鏡子の元夫である椎崎悟が車道の反対側でナイフを出したのを見たオービーは攻撃のサインと受取り、飼い主である陽介を守るために悟を攻撃しようとしたため。

悟は鏡子と京也の浮気を知った際に、包丁を持って家で暴れたことがあり、オービーはその時の記憶から「刃物+メガネ」を危険人物として記憶していた。

なお、悟がナイフを取り出したのは近くにいた京也を襲おうとしたため。

秋内はなぜ悟のトラップに引っかからなかったのか?

悟は秋内の自転車のブレーキを切断した上で、坂道の最後にジャンプ台をセットしていた。

坂道に誘導した上で、秋内をジャンプ台からダイブさせるつもりだったのだ。

しかし秋内は母から祖父が危篤である旨の連絡を受けたため、その坂道には向かわずに病院に向かうことになったため助かった。

なお、悟は京也を刺すつもりであったが、京也にも秋内の母から同様の電話があり、悟は刺すのを思いとどまった。

間接的に秋内も京也も秋内の祖父に命を救われたことになる。

椎崎鏡子の死因は?

結論は自殺。京也との浮気が陽介から父親を奪ってしまったことを激しく後悔して自殺した。

なお、鏡子と京也の間に肉体関係はなかった。
→鏡子に母親の面影をみた京也は鏡子に甘えたく裸で抱き合っていただけだった。

感想

登場人物に悪意があるキャラが少ないので楽しく読めました。

途中秋内が事故死したようにミスリードされたときはおいおいと思いましたが。。

今回の二つの死亡事件を改めてまとめると

陽介の死

犬が悟を見たことによる事故死(悟に殺意はなかった)

鏡子の死

自らの行動を悔いての自殺。

結局他殺はひとつもありませんでした。

まぁ悟はかなり危ない行動が多かったですが。

よくこれだけのミスリードと伏線をちりばめながら最後はきれいに回収で出来るものだなと道尾さんの作品は感心させられます。

あれは結局なんだったの?っていうのがないのですよね。

今回も満足の1冊でした。

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