ネタバレ感想:マドンナ『奥田英朗』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

奥田英郎さんの小説。

表題のマドンナを含めた短編小説です。

部下の女性に恋をした課長、ダンサーを目指す息子と自由な同僚に戸惑う課長、営業畑で生きてきて初めて総務部に配属された課長、同い年の女性上司のもとで働くことになった課長、と様々な悩みを抱える会社員のあるあるが描かれています。

あらすじ

マドンナ

課長の荻野春彦が主人公

人事異動でやってきた倉田知美はもろに春彦のタイプであった。
好きになってはいけないと自分に言い聞かすがどうしても気持ちが抑えられない。

若手の部下も知美に興味をもっているようで、他の男が知美にアプローチをしないかはらはらする毎日。
家でも知美のことが頭から離れない。
また既婚者の自分がどうするのかという思いもある。。

振られるのを覚悟で告白した方がいっそすっきりすると思い始めるが・・・

ダンス

課長田中芳雄が主人公

ある日高2の息子の俊輔が突然将来はダンサーになると言い出した。
そんなものは認めるわけにはいかないと思いつつも直接息子にいうのは気まずい・・・
女房にもせっつかれる。

更に会社では同期の課長浅野が自分の課から会社行事に人を出さず足並みを乱し、自分が部長になんとかしろと言われる。

息子と同期の浅野二人の自由な生き方にどう対応するのか・・

総務は女房

課長の恩蔵博史が主人公。

入社以来営業畑一筋で海外勤務も経験し企業間競争の最前線で働いてきた。

会社の出世コースとして恩蔵が次に配属されたのは初めての事務系部署である総務部。

今まで営業部署で生きてきたので総務部は全く違う会社のようだ。
更に総務部では慣習的に業者との癒着が行われていた。

不正が嫌いな恩蔵が立ち上がるが・・・

ボス

課長の田島茂徳が主人公

新しく配属された部長は自分と同い年。しかも女性の上司であった。

接待ゴルフの廃止、社内旅行の廃止、禁煙、自分たちにとって居心地のよい職場が新しい上司にいいように変えられていく。

どうしても我慢出来ない田島は事あるごとに反論するが全て完璧に言い負かされてしまうが・・・

パティオ

土地開発会社に勤務する課長の鈴木信久が主人公。
この短編小説の主人公は全て40代の課長。

新たに配属された営業推進部では土日になるとゴーストタウンと化す「港パーク」に人を集めることが新たな仕事。

一方家庭では母を亡くした父が田舎で一人暮らしをしている。

責任だらけの40代が頑張る!

 

感想(ネタバレ注意)

子供も大きくなり、部下ももつようになり、仕事も波にのってくる一方で様々な悩みを抱える40代。

個人的にはパティオに出てくる老紳士が素敵だなと思いました。
年をとって1人になっても自分が楽しめる時間を持つのは大切です。

どの短編もバッドエンドがないので安心して気軽に読める一冊です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加