ダイの大冒険の続編「魔界編」がもし出ていたらどんな内容だったかを考えてみます。
通常長い間連載していると広げすぎた風呂敷をたたむのが大変なように未回収な伏線がほったらかしになってしまうことがほとんどです。
しかしダイの大冒険はちょっと違っていて張り巡らされた伏線を丁寧に回収していきました。
これほどの長期連載できちんと伏線を回収しきった漫画は数少ないと思います。
しかしそうは言っても長期連載の定めで何個か謎は残されており、その中の一つが大魔王バーンを倒したダイの行方です。
この問いには実は本編とは別の作者インタビューに回答があり、大魔王バーンを倒したダイは魔界にいることが明かされています。
そして作者の構想では続編としてダイ達の5年後を描いた「魔界編」が描かれるはずだったのです(今となっては望みは薄ですが)。
今回の記事では今となっては幻となってしまった魔界編の内容を一ファンとして考察してみようと思います。
魔界編の内容を考察
インタビューの内容から魔界編は完結した本編の5年後を描く予定でした。
そして父バランの後を継ぎ竜騎将となったダイが陸戦騎ラーハルト、海戦騎クロコダイン、空戦騎に新キャラを従えて魔界で戦う予定だったことがわかっています。
魔界を舞台に戦うことが構想にある以上、ダイ達の相手として大魔王バーンに代わる強大な敵がいるはずです。
大魔王バーンをも一人で倒したダイにとって新たな強大な敵とは誰なのか。
地上にいる仲間のポップ達はどのように魔界編に絡んでくるのか。
そしてさり気なく海戦騎となったクロコダインさんは魔界で通用するのか。
幻の魔界編の内容をそれぞれ考察したいと思います。
魔界編の敵は?
ダイの大冒険の本編では最初から一貫して大魔王バーンを倒すという目的がありました。
よって魔界編でもバーンに代わる強大な敵がいると考えられます。
その候補として最有力なのは魔界で幽閉されているという冥竜王ヴェルザー。
ヴェルザーはバーンと魔界を二分する勢力であった竜族の王でしたが、若かりし頃のバランに死闘の末敗れた後、精霊たちに魂を封じ込められて石となり魔界の奥地に幽閉されています。
続編は5年後の魔界なので、何らかの方法で幽閉から解放されたヴェルザーが魔界で暴れまわり、大魔王バーンのように地上に進出しようとするのをダイ達が止めるという流れになるのではないでしょうか。
しかしここで問題になるのがヴェルザーの強さです。
大魔王バーンを一人で倒したダイにふさわしい強さがヴェルザーになければ「魔界編」の物語は成立しません。
ヴェルザーはかつてバーンと魔界を二分する力があったとは言え、若かりし頃のバランに敗れており、バランを凌ぐ強さのバーンを一人で倒したダイの強敵になるのかというが疑問が出てきます。
本編を見た限りだと強さはどう考えても、ダイ>大魔王バーン>バラン>ヴェルザーになります。
この疑問に答えはありませんが、魔界編は5年後なので幽閉から解放されたヴェルザーがその時間を利用して何らかの方法で力を蓄えて本編の大魔王バーンを凌ぐ強さになったと考えるしかありません。
そもそも魔界編のラスボスはヴェルザーではなくまだ見ぬ新キャラという可能性もありそうですが、わざわざ本編で幽閉されているヴェルザーを出したのは作者が魔界編を意識しての伏線だと思いますし、5年の間に新たな新勢力が現れるのも続編としては微妙だと思うので5年後のダイ達の敵はパワーアップした冥竜王ヴェルザーだと予想します。
ポップ達の登場は?
前述のとおり作者のインタビューの構想では陸戦騎ラーハルト、海戦騎クロコダイン、空戦騎の新キャラとともにダイが魔界で戦うことが明らかにされています。
ここでまず疑問に思うのは「ポップやヒュンケルは出さない予定だったのか?」です。
ポップとヒュンケルと言えばダイに勝るとも劣らない作中屈指の人気キャラ。
その二人が構想にないのだとしたらどのような理由があるのか?
※ヒュンケルは二度と戦えないと言われていましたが5年も経てば不死身なのできっと復活するはず。
考えられる理由は続編の舞台が魔界であるため人間であるポップとヒュンケルは行けないのではないかというものです。
構想にあるラーハルト、クロコダインの共通点はどちらも魔族(ラーハルトは人間と魔族の混血児)なので魔界には純粋な人間だと入れないのかもしれません。
ちなみにダイも人間ではなく「竜の騎士バラン」と「人間の王女ソアラ」の間に産まれた混血児です。
しかしそうは言ってもポップやヒュンケルが登場しないのは続編としてあまりにも寂しいものがあります。
そのためポップ達も物語に絡むために魔界に入る方法を模索するでしょう。
そしてその結果破邪の洞窟の最深部に行きつくのではないでしょうか。
破邪の洞窟と言えばレオナ姫がミナカトールを習得したり、アバン先生が修行をしていた洞窟でもあります。
しかし最深部に何があるのかは本編では最後まで謎に包まれていました。
その答えが人間が魔界へ行くための秘術が隠されていると考えると本編の伏線が綺麗に続編の魔界編につながります。
よってポップ達は続編の「魔界編」では最初は登場しないものの破邪の洞窟の最深部で魔界へいくための秘術を発見し、後から魔界で合流するというのが管理人の予想です(というより希望です)。
クロコダインは魔界で通用するのか?
きっと誰もが驚かれたであろう「海戦騎クロコダイン」というワード。
正直、地上の戦いでも強敵相手にはほとんどかませ犬だったクロコダインが魔界を舞台にどこまで活躍できるのか心配になってきます。
しかしクロコダインは実は雑魚相手にはめっぽう強く、本編でザボエラが魔界から連れてきたモンスター相手にも無双しています。
よって魔界編でもクロコダインは雑魚相手なら今までどおり無双してくれると思います。
では強敵相手にはどうなのか?
今まで通りかませ犬で終わってしまうのか?
残念ながら本編終盤のクロコダインを見ている限り5年間普通に修行したからといって魔界の強敵相手に渡り合える伸びしろがあるとは到底思えません。
しかしそんなクロコダインでも一気に強くなる方法が一つだけ存在します。
それはハドラ―のように「超魔生物」になることです。
超魔生物はもともと竜魔人バランを理想体にザボエラ・ザムザの親子が研究開発した魔族の強化改造体で、魔族をベースにあらゆるモンスターの長所を移植手術することで誕生した、一種の合成超獣です。
本編では研究開発をしたザムザとハドラ―が自らを「超魔生物」に改造しました。
もともと魔王軍の技術である超魔生物をダイ達の味方になったクロコダインが使おうと思うかは疑問ですが、クロコダインが大幅にパワーアップする方法は正直これしかないように思います。
※ザボエラ・ザムザが亡き今、超魔生物になるためのデータが残されているかというそもそもの問題もあります。。
ちょっと現実味がないかもしれませんが、例えばダイがピンチで超魔生物になる手段も残されている等、条件が揃えばクロコダインが自らを超魔生物にする可能性も0ではないかもしれません。
もしそうなれば十分に強敵と渡り会えることでしょう。
余談ですがザムザのように戦闘時のみ超魔生物になる変身機能を付けている場合は、超魔生物になった際に呪文が使えないという最大の欠点がありますが、クロコダインはもともと呪文が使えないためデメリットにはなりません。
※ハドラ―は自分の身体そのものを超魔生物と化すことで呪文が使えるようになりました。
まとめ
5年後というとダイは18歳、ポップ20歳、ヒュンケル26歳、マァム21歳、レオナ19歳です。
大人になったダイ達がどのように描かれるのか、ポップとマァム、メルルの三角関係はどのように変化しているのか、二度と戦えないと言われたヒュンケルは復活するのか等、本筋と関係ないところも想像すると楽しめます。
現在、冒険王ビィトも不定期連載中であることを考えると今後「魔界編」が見れることはないのでしょうが一ファンとしては考えるだけでも楽しめました。
原作終了から20年以上が経った漫画が今もまだ楽しめるって本当にすごいです。
改めてダイの大冒険の面白さを再確認しました。
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