ダイの大冒険に登場する屈指の人気キャラポップ。
今回は今更ながら作中におけるポップの役割をまとめてみたいと思います。
ポップの役割については実際に原作者の三条先生がインタビューで色々と語ってくれています。
なので今回の記事はそのインタビューを管理人なりの視点で少し掘り下げながらまとめたものになります
ポップの役割
ダイの大冒険において勇者ダイとダブル主人公と言うべき存在である魔法使い(大魔導士)ポップ。
毎度読むたびにポップの活躍に感動させられます。
さて、早速ですが作中におけるポップの役割をまとめていきましょう。
読者の窓口となる存在
原作者の三条先生はダイの大冒険の制作にあたり読者の興味を惹くためには読者の窓口になるキャラクターが必要だと考えたそうです。
主人公のダイは竜の騎士と人間のハーフであり、紋章の力を使えば最初からハドラ―を退けるほどの強さを持っています。
また性格も真面目でピンチであきらめない。
まさしく勇者、読者にとってのヒーローというべき存在です。
そんなダイが一人で主人公として突っ走ってしまうと読者が置いてけぼりになると考えたのでしょう。
もう少し読者にとって身近な存在が必要だと考えて生み出されたのがポップなのだと思います。
ダイと違いポップはただの武器屋の息子で特に特別な出自ではありません。
マァムやレオナなどほかの仲間たちと比べれば平凡そのものです。
そんなどこにでもいる一般人のポップが悩みながらももがき、強くなり、魔王軍に立ち向かうところに読者は惹かれてよりダイの大冒険を楽しめるというわけです。
ポップの名前の由来は「pop(通俗・大衆)」からきているのでまさしく読者の窓口といえる存在です。
弱い奴が強くなるという感動
主人公ダイは竜の騎士という圧倒的な能力をもとにストーリー当初から強さを発揮していきます。
魔王軍との戦いでも苦戦することはありつつも戦いの中で解決策を見つけて、どんな強敵も必ず撃破してきました。
例外といえるのは大魔王バーンとの最初の戦いくらいでしょう。
この戦いでは父親であるバランと最強の武器「ダイの剣」を失ったダイは初めて敵わない強敵との戦いを恐れて逃げるシーンがありました。
最終的にダイはポップのサポート(後述)もありこの恐怖に打ち勝つことで精神的に成長することが出来ました。
話がそれました。
一方ダイのパートナーであるポップは当初は弱いだけでなく臆病かつ弱虫で強敵と出会うと仲間を見捨てて逃げるというとんでもなくダメなやつでした。
最初の転機となるのはクロコダインとの戦いです。
ダイやマァムを見捨てたポップにニセ勇者のパーティーであるまぞっぽがアドバイスするシーンです。
このアドバイスで本当の勇気が何かを思い出したポップはクロコダインに一人で立ち向かい、当然敵わないものの、ブラスをマホカトールで保護することに成功し、ダイの勝利につなげることが出来ました。
このクロコダイン戦を転機にポップは少なくとも仲間を見捨てて敵から逃げることはなくなりました。
しかしあくまでこの時点でポップが読者に与える感動は「弱い奴が頑張ったことによる感動」です。
この時点でのポップはダイやヒュンケルに比べてまだまだ弱いです。
クロコダイン戦、ハドラ―戦や竜騎将との戦いでもポップは頑張って戦いますが、一人で敵を倒せるレベルではありません。
もちろん勝利に貢献していることは明らかですが、クロコダイン戦はダイ、ハドラ―戦と竜騎将戦ではヒュンケルが勝負を決めました。
なのでこの時点でのポップの評価は弱いのに頑張って読者を感動させてくれるという存在です。
しかしメドローアを覚えたあたりからポップは戦力的にも主力といえる存在になります。
オリハルコンの戦士シグマを一人で倒したり、回復呪文を使いこなすようになったり、あの大魔王バーンの最終奥義を一人で破ったりと大活躍を見せてくれます。
特に最後にダイと二人で大魔王バーンに立ち向かうシーンは最初の船出のシーンを覚えている読者からすれば涙が止まらないシーンでしょう。
まとめるとポップの成長のシーンは2段階あります。
①精神的な成長
いうまでもなく強い敵に出会ったらすぐに逃げてしまうポップがどんな強敵であっても立ち向かうことが出来るようになった点です。
転機となるのはクロコダイン戦でのまぞっぽのアドバイスですね。
その後もマトリフに師事し成長し続けています。
②戦闘能力の向上
もちろん当初から戦闘をこなすたびに強くなっているのは間違いないのですが、魔法軍から脅威と見られるようになったのはメドローアを習得してからです。
ここからポップは大魔導士としての覚醒も含めて一気に強くなります。
この頃のポップはただ弱い奴が頑張るというだけではなく戦力的にもパーティーのキーマンになってきます。
それはアルビナスがダイ以外で恐ろしいのはヒュンケルとポップと発言したり、キルバーンが成長度はダイ以上と発言したり、ヒュンケルをして今のポップには俺でも勝てるかわからないと発言している点から明らかです。
強くなる前のポップであればハドラ―や竜騎将との戦いをしていると、読者目線では弱いのに頑張ってる、早く誰か助けてあげて!という気持ちだったのが、最後の大魔王バーンとの戦いではダイと同じように読者もポップの強さを信じられるようになっています。
原作者の三条先生はダイとポップのダブル主人公と仰っていてポップの成長については当初から計画されていたのだと思いますが、改めて読み返しても本当にうまく段階を置いて成長させているなと思いました。
勇者ダイを立ち上がらせる役割
主人公のダイは純粋な性格でかつ竜の騎士という強さも兼ね備えています。
なので戦いは全てなんとかしてしまいますし、特に思い悩んだりすることもありません。
しかしそんなダイが精神的にやられてしまったシーンが3つあります。
①自分の出自について知った時
②大魔王バーンとの初戦に敗れた時
③黒のコアで地上が破壊されそうになった時
それぞれ細かく語る必要はないと思いますが、ダイが落ち込んだ時、あきらめてしまいそうな時に救うのは必ずポップの役割になっています。
管理人が特に一番印象的に残っているのは③の大魔王バーンとの一戦です。
黒のコアによる地上爆発の準備をしていたバーン。
黒のコアの爆発を止める術がないダイはこのままバーンを倒しても地上がなくなるのでは意味がないと戦意喪失してしまいます。
しかしそんなダイをふるい立たせたのはポップの言葉でした。
あんたらみてえな雲の上の連中に比べたらおれたち人間の一生なんてどのみち一瞬だろう!?
だからこそ結果が見えてたってもがきぬいてやる!!!
一生懸命に生き抜いてやる!!!
残りの人生が50年だって5分だって同じことだ!!!
一瞬・・・!!
だけど・・・閃光のように・・・!!!
まぶしく燃えて生き抜いてやるっ!!
それがおれたち人間の生き方だっ!!!
よっく目に刻んどけよッ!!!
このバッカヤロー!!!!ダイの大冒険第36巻 P57~59
ダイを立ち上がらせるのはダイと一緒にアバン先生の修行を受けて最初から最後までずっと一緒に旅をしていたポップにしか出来ないことです。
ダイは竜の騎士という能力もあり最初から強いですが、精神的にはまだまだ子供の部分があります。
ダイその純粋さゆえに悩まず過ごせる部分も多いですが、行き詰った時には必ず助けてくれる誰かが必要です。
ポップには肉体的にも精神的にも強くなり読者に感動を与えるだけでなくダイを立ち上がらせる役割が与えられていることは明らかでしょう。
あとがき
この記事を書くためにダイの大冒険を読み返していたのですが、やはり何度読んでも感動してしまいますね。
竜騎将戦や大魔王バーン戦でのポップの活躍は個人的にすごくお気に入りで何度読んでも涙腺を刺激されます。
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